第27話 目的達成

「魔力を分けてほしい。」

「もちろんです。」

 魔力を満タンになるまでもらい、これなら行けるとオークジェネラルに向かっていく。オークジェネラルはゆっくりと落とし穴から這い上がってきている。チャンスは一回きりだろうが、賭けに出るしかないと思い、走り出す。

 

「スモーク」

 周囲に大量の煙が立ち込める。オークジェネラルはそれに反応し、

「グォォォー!」

 雄叫びをあげ、スモークが晴れる。声が大きく耳鳴りがしているがここがチャンスである。

「フライ!」

 俺の周りに突風が生じ、それと同時にジャンプする。すると、オークジェネラルの顔あたりまで体が飛ぶ。本来フライは生じた風により空中を自在に飛び回るものである。しかし、俺は魔力量が少ないため、大ジャンプをする程度しか使うことはできない。今はそれで十分である。

「リミットボム」

 魔力の塊をオークジェネラルの口の中に放り込む。目の前にいた俺に気がついたのか口を閉じ、頭突きを決めてくる。頭突きにあたり地面に強く打ち付けられる。オークジェネラルは地面に打ち付けられた俺を見て、足を上げた。どうやら踏み潰す気だろう。しかし、もうすぐ時間だろう。


 次の瞬間、オークジェネラルの口の中でボンと破裂音が聞こえる。リミットボムの射程は手から数cm、時間は5秒で固定されてる。その代わりに威力は魔力量に比べると結構高いものになっている。その爆発は結構な威力があったのか頭が後ろの方に傾く。

「コスモ!今だよ!」

 俺が頭突きされる前に首元に投げていたロープをコスモが噛み付いている。コスモがそのロープを引っ張ると、体勢の悪かったオークジェネラルは後ろに倒れる。

「いけ!ガーベラ!」

「はーい!」

 倒れたオークジェネラルの首元には大剣を振り上げたガーベラが待機してた。そして、大剣を振り下ろす。

 1日1回限定の大剣の威力は強力であり、俺の短剣を折るような硬い皮膚にも負けず、地面まで一直線な軌道を描いた。オークジェネラルの首は転がり、周りには血が撒き散る。

「やりましたね」

「それよりもユートさんは大丈夫ですか!」

 ミールは走って近づいて来ていた。確かに身体中が痛い。そして、魔力を使い果たしたため全身に疲労感が訪れ、意識が飛ぶ。


「・・・さん!ユートさん!」

 ミールの声と何かが焼けるいい匂いに気がつき、意識が戻る。

「やっと目が覚めましたね、水は飲めますか?」

「飲めますよ、ありがとうございます。」

「おー!起きたのか!ご飯作っておいたよ!」

 魔力も体力も相当使ったため強烈な空腹が来ていた。では、お預けをくらっていたオーク料理を食べていくとしますか。

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