第26話 対オークジェネラル戦

スモークが晴れてオークたちの姿が顕になる。1体は先程まで戦っていたオークと全く同じ見た目をしている。しかし、もう1体のオークは明らかに見た目が違う。ガタイが良く、どちらかと言うとオーガに近い見た目をしてる。

「あれは、オークジェネラルじゃないですか?」

「オークジェネラルですか?」

「そうです、オークジェネラルはオークの変異種で普通より硬いらしいんですよ。ちなみに魔法は使えないんですが、魔力を纏ってて魔法が効かないって聞いたことがあります」

 まじか、魔法も剣も効かなそうな感じじゃないか。とりあえず普通のオークを倒さないと話にならない。

「まずは普通の方を倒さないと」

「そうだね!またサポートしてくからね!」


「スモーク、シャドウ」

 スモークは何回も使ってると耐性がつくみたいなので、このふたつでやって行こう。

 分身を先に行かせ、近づいていく。予想通り前の分身が棍棒によって吹き飛ばされている。オークは基本大振りしかしないのでここがチャンスである。オークに滑り込みながら近づき、アキレス腱を切断する。そして反対の足にはガーベラたちがロープを引っ掛けている。

「そーれ!」

 足を取られたオークは後ろに倒れる。すぐさまオークの首を切る。これで残りはオークジェネラルだけである。


「グォォォー!」

 オークジェネラルの雄叫びが響き渡り、スモークが晴れる。さすがに仲間を倒されてお怒りのようだ。しかし、冷静ではないのは好都合である。

 オークジェネラルは俺に対して突っ込んでくる。

「フラッシュ!」

 目の前に閃光が走る。急に強烈な光が現れ、オークジェネラルの目を潰す。

「ギィィ!」

「ラージトラップ!」

 巨大な落とし穴が作られ、オークジェネラルの下半身が地面に埋まる。ガラ空きになった首元に短剣を走らせる。


 パキッ、と手元から音が聞こえる。手に持っていた短剣の重さが半分程度になる。想像以上にオークジェネラルが硬すぎ、短剣が折れてしまった。

「しまった!」

 次の瞬間には体が横に吹き飛ばされていた。その勢いは相当なものであり、体がぶつかった木は折れている。全身に強い痛みが走り、拳を受けた方の腕が動かなくなっている。そして、呼吸をする度に鋭い痛みがあり、肋骨も数本折れているだろう。

「ユートさん!」

 ミールが走りながら近づいてきている。

「パーフェクトヒール!」

 全身の痛みが和らいでくる。動かなくなった腕も動くようになる。

「た、助かりました。」

 しかしどうしたものか、このままでは倒す手段がない。

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