第24話 美味しい食事?
前まで苦戦していたオークをこんなにもあっさり倒せてしまうようになり、成長を実感する。しかし、何かしらに特化しているわけではないので考えて戦わなくてはいけないのは変わりない。仕方ない、自分は平均的な人間だからな。
そんなことを考えているうちにガーベラが料理を始めていた。すごく美味しそうな匂いが漂ってくる。
「できたよー!」
ガーベラの声が聞こえてきた、そろそろ昼ごはんにしますか。その瞬間、なにかがものすごい速さでオークの料理の前を横切った。
「あー!あたしの料理がとられた!」
確かにガーベラの持っていた皿には何ものっていない。料理の前を横切った何かの向かっていった先を見ると、大きめの狼が料理を食べていた。
「あの狼、もしかしてハイスピードウルフですか?」
「なんですかその物騒な名前は。」
「前にユートさんが戦ったリトルウルフがいるじゃないですか。その狼をそのまま大きくした姿のモンスターのことをいうんですよ。」
「確かに、リトルウルフをそのまま大きくした感じですね。」
「そして、名前の通りなんですけどモンスターの中で最速を誇るらしいんです。」
えっ、そんなモンスターがそんなところにいていいものなのか。驚きのあまり声を出せずにいると、
「えー!あの子可愛いんだけど!」
ガーベラが上擦ったような声を出しながらハイスピードウルフに近づいていってる。
「ガーベラさん!あぶっ?」
俺がガーベラに注意をしようとしたとき、ハイスピードウルフはガーベラに体を擦り付けていた。あまりに奇妙なできごとが目の前で起きているが、事が動き出すまで見ていることしかできない。
「ねー!この子あたしの従魔になった!料理が美味しかったんだって!」
えー、急にそんなことを言われても。しかし、ハイスピードウルフはカーベラを襲う様子はないし、なんなら隣を歩いている。
「ガーベラさん、それは本当なんですか?」
「本当だよ!念話もできるし!」
「へーそうなんですか」
もうそんな返事しかできない。けど、 本当に仲間になったのなら大幅な戦力になるのではないか?
「ガーベラさん、ひとつ聞きたいのですが、そのウルフは戦うことができるんですか?」
「聞いてみるね!んー、無理っだって。足が速いのが取り柄だけど、縄張り争いにすら参加できなくて群れから追い出されたんだって。ちなみに最速の呪いっているのがかかってるみたいで、どのハイスピードウルフより速いけど戦うことができないんだって」
えー、そんな都合のいい呪いってあるんか。仲間は増えたが、戦力が増強しないのはいつものことである。
ちなみにハイスピードウルフの名前はコスモになった。女の子らしい。
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