第13話 対キングゴブリン戦

 逃げながらも作戦を考えていく。てか、ステータスも確認しないとどうもできないな。ステータスバーを表示させる。予想通りほとんど平均的に伸びている。たしかに魔力も上がっているが、強い魔法を使うのはなかなかリスクが高すぎる。何か作戦はないか聞いてみるか。

「ミールさん!何かいい作戦とかはないですか?」

「んーそうですね、いいアイディアはないですね。一つ言えるのは、私の回復魔法はどんな傷も癒すことはできます。けど、さすがに頭を飛ばされるとさすがにきついと思うのでそこは注意して下さい。」

 なるほど、頭以外なら何とかなるのか。それならどうにかなるかもしれない。

「わかりました。どうにかなるかもしれないので、タイミングよく回復魔法をお願いします。」

「了解です、健闘を祈ります。」

 決意を固め、後ろを振り返る。でかい図体のキングゴブリンを目の前にして逃げたい気持ちはあるが、作戦がうまくいくことだけを考える。

 前は攻撃が見えなかったけど、そんなに早く動けるガタイには見えない。しかし、どうして見えなかったのか、もしかしたら魔法が使えるのかもしれない。風の魔法が一番可能性としては高いと思う。さすがに弱点がないとは思わないので、防御する手段はあるだろう。

「シャドウ」

 新しい魔法を使っていく。自分の体が黒く染まり、真っ黒な自分が作られる。二人となった自分は左右に分かれ、キングゴブリンに対して襲いかかる。キングゴブリンは戸惑いを見せたが片方に大剣を振りかざす。運がよく、分身の方が切られたため、本体の方に背を向ける状態となる。しかし、魔法があると考えると油断はできない。

「ウォール!」

 早速新しい魔法を2つも使っていく。地面から土でできた壁ができあがり、目の前にそそり立つ。すると壁は斜めに切れるが、キングゴブリンは背を向けたままだ。やはり魔法を使っていたようだ。魔法で俺を倒したと勘違いしているようでこちら見ない。まずは機動力を削ぎ、急所を近づけるためにアキレス腱を切る。

「ギャー!!」

 キングゴブリンは切った左足のほうから崩れ落ち、左ひざをつく。そんなに連続で魔法を使えないと考え、首元に切りかかりに行く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る