第5話 俺と陽一
「ところで、高校って大会とかいつあるんですか?」
「え、13日の土曜にあったよ」
俺たち1年生はみんなしかめっ面をして疑問の声を漏らした。それを見て先輩達は再びクスクスと笑い出し、
「ごめんごめん、言ってなかったね。最初の春の大会は13日の土曜日だったんだよ。」
スコア表を見ると、相手の高校は『
「「おぉー!」」
他のやかましいヤツらよりは口数の少ない
「あ、今日中にお前らも選手登録すれば次の20日の土曜の試合ワンチャン出れるよ」
すると
「ゼビオのカード持ってるか? それ使ってサクッと情報を籠高バスケ部に移す」
ゼビオはスポーツ用品を多く取り扱っている店だ。俺は中学の時に入っていたバスケ部の顧問からそのカードを受け取っており、それはゼビオで使えるポイントカードと同時に、『JBA』という組織の競技者用カードとなっていた。
「ほれ、早速1年ズはパソコン室行くぞ〜。
――パソコン室――
「先生〜」
「あらた先輩〜」
タラタラとパソコンいじりが始まった。ほかの人たちが手こずる中選手登録がサクッと終わった俺は、暇を持て余してケータイをいじっていた。
そんな暇な俺の他にもう1人、スムーズに選手登録を終えられたやつがいた。
「俺ら出れっかな?」
それは
刻々と時間が過ぎていくが、結局今日中に選手登録が完了できたのは俺と陽一だけで、他の1年生は上手いこと登録が出来なかった。
「んじゃ時間も終わりそうだし、とりあえず土曜に試合行けんのは
「他の奴には申し訳ないけど、
マネージャーとして入った
「んじゃ、1年はここで解散。明日からの練習は、2人は特に死ぬ気でついてこいよ」
――下駄箱――
「みんな揃ったし、LINE交換して1年のグループ作ろうぜ!」
とくに明るい
LINEを交換しグループを作る。この後の流れは陽気な
「せっかくだし写真も撮ろうぜ!」
予想通りだった。
彼は実に面白いガリレオのポーズを真似てケータイのインカメを起動する。俺を含めた
「バカみたいだな笑」
「バカ記念だな」
仲間となる8人と仲良くなれた気がして、俺は色々な意味で明日からの練習が楽しみで仕方なかった。
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