第2話 マネージャー
体験入部をしてみて思った事はまず、中学の時よりもさらに接触が多かった。安全に気を使って練習しているものの、ディフェンスやリバウンドなど、体幹があっても吹き飛ばされるぐらい先輩達は強かった。
ドリブル技術も先輩達は凄かった。特に6番の『
俺や
キーンコーンカーンコーン――
18時45分になり、部活終了のチャイムが鳴った。籠高の完全下校は19時で、それまでに片付け、着替え、ミーティングを済ませなければならない。
先輩は素早くゴールをしまい、走りながら床にモップをかけ、濡れ雑巾を洗って片付ける。俺たち3人はそんな様子をぼんやり見ながらバッシュを脱いでいた。
「初日お疲れ様! 楽しかった?」
マネージャーの『
「中学よりキツかったけど楽しいっす!」
「お前らなかなか動けんじゃん! もちろんバスケ部入るっしょ!?」
ニカッと笑う先輩に対し、初対面だったはずの俺達は口を揃えてこう言った。
「当たり前っすよ!」
――体験入部3日目――
2日目の体験入部は変わらず
そして3日目には、新顔の1年生が1人来た。動く格好はせず制服のまま、バッシュだけ背負いながら体育館の前に立っていた。
「あ、1年生?」
マッシュに近い髪型に、167センチある俺より少しデカいぐらいの彼は、引退時には5番のシューティングガードとして副キャプテンを務める『
「そうです、こんにちは」
「俺、
この時俺は距離を詰めすぎてしまったらしく、
「3組の『
自己紹介とLINEの友達交換が終わると、後ろから
ははは、と苦笑いしつつも、
しばらくしてやって来た先輩達に続き、俺達3人と見学1人の、3日目の体験入部が始まった。
――19時の校門前――
「まさきも駅まで一緒に帰ろうぜ!」
口数が少ない印象の
偶然にも俺達4人は同じ駅を使っていて、俺と
学校から最寄り駅までは徒歩で15分、それまでは4人で会話をしながら歩いた。
会話の内容は当たり障りのないもので、好きな食べ物や出身中学、バスケのポジションなどだった。
「もしまさきがバスケ部入るなら、俺らの代になったら戦術広がりそうだな〜」
そして
「ごめん、俺、入るならマネージャーやるよ」
その一言を聞く頃には駅に着いており、体験入部3日目はマネージャー候補の発見で帰宅となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます