第1話 就活

あれから1週間。希海は、必死に就職先を探していた。


△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

〜数日前〜


「希海!!引きこもってばかりいないで、いい加減働きなさい!!!!」


そう怒鳴るのは、希海の母親である。


「まったく…19歳にもなって、進学も就職もしていないってどういうことよ!!一家の恥だわ!!」


△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△


 というような感じで、こっ酷く叱られたのだ。こりゃ、いつ家を追い出されてもおかしくない。


「とは言ってもなぁ…高卒でニートだった俺を雇ってくれるとこなんてあんのかねぇ……」


と言いつつ求人サイトを見ていく。


[使用人募集!!!

職歴不要、泊まり込みで3食付き。男性の方大歓迎!!]


「使用人…?ってあれだよな…主人に雇われて家事とかする…」


使用人なんてドラマや漫画の中だけの話かと思っていた希海だったが、なんだか面白そうなので応募してみることにした。


『もしもし、お忙しいところ申し訳ございません。わたくし、長谷川希海と申しますが、求人サイトを拝見させて頂きお電話差し上げました』


求人サイトに記載されていた番号に電話をかける。すると受話器から優しそうな女性の声が聞こえてきた。

 

『お電話ありがとうございます。こちら九条グループでございます。求人の件ですね、少々お待ちください』


そう言って保留音に切り替り、30秒と経たないうちに別の女性が出た。


『すみません、お電話変わりました。九条グループ採用担当でございます』


『お忙しいところすみません。先程、求人サイトを拝見し、使用人募集とあったので応募させていただきたく思いお電話させていただきました』


『はい、使用人応募ということでよろしいですかね。それではお名前と連絡先をお伺いしてもよろしいでしょうか』


『はい、長谷川希海です。連絡先が080–△△△△–□□□□です』


『はい、かしこまりました。それでは面接の日程にて確認させて頂きます』


そのような感じで電話は進んでいき…


『それでは当日、九条家でお待ちしております。失礼いたします』


そして通話は終了した。


「…さて、これから頑張るか…」


希海はこれからに向け覚悟を決めるのだった。


〜面接当日〜


「ここが九条家か…使用人を雇うまであって大きい家だなぁ…」


希海はスーツを着こなし、九条家の前に立っていた。


「ピンポーン。はじめまして、本日面接予定の長谷川希海です」


インターホンを押して、名前を名乗る。すると、電話口でも聞いた声が聞こえてきた。


「お待ちしておりました。今そちらへ伺いますのでお待ちください」











 










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