ニートの俺が使用人に!?

@Yuz-Ki

プロローグ

長谷川 希海。

高校卒業後から引きこもりのニートをしている。ニートと言っても一日中家の中にいる訳ではなく、買い物に出かけたりはしている。まぁ、買うのは漫画とかゲームだが…。

ある日、俺は普段通りゲームソフトを買いに出かけていた。そこで、ある1人の女性と出会った。


「よし…やっと買えた。今期話題の超大作」


そう言って手にしているのは新しいゲームソフト。


「最近人気出て来たと思ったら直ぐにこれだもんな、グッズも品薄状態だし……。まぁ、何はともあれ無事確保出来たし、早く家帰って早速プレイしてやる…!」


「……ん?」


そこで希海はあることに気がつく。


「おい…あの子、信号に気がついてな

い…!?」


前を歩く一人の女性。高校生だろうか。両耳にイヤホンをし、本を読みながら赤信号の横断歩道を渡ろうとしている。ふと、横を向くと直進車がこちらに寄ってきている。


「…ったく、こんなアニメみたいな展開本当にあるのかよ……」


希海はゲームソフトをカバンにしまい、その女性の元へと駆け寄った。


「ガシッ」


何とか女性が横断歩道に足を踏み入れる前に彼女の腕を掴み、足を止めることが出来た。


希海が彼女の腕を掴んだ途端、彼女は驚いた顔をしながらイヤホンを外して辺りを見回した。


「はぁ…はぁ、あんた…!死にたいのか!?歩行者信号赤だろ!」


希海がこう問いかけると彼女は我に返ったように信号を見た。


「あっ、ごめんなさい。音楽を聴きながら本を読んでいたから前を見ていなくて…」


意外にも彼女は素直に謝ってきた。


「音楽聴きながら本読むって…歩きながらすることじゃないだろ……。もし俺が止めてなかったらあんた死んでたぞ……」


「本当にごめんなさい。助けてくれてありがとうございました。」


と、彼女は頭を下げてきた。


「もしよろしければこのお礼がしたいのですが…」


「お礼…?そんな、俺はただ当たり前のことをしただけ。お礼なんて要らないよ」


「ですが……」


「そんなことよりも、相当強く腕掴んじゃったけど痛みとかない?」


「え…あ、はい…大丈夫です…」


「ひとまず、君が無事で良かったよ。今後はこんなことにならないようにね。それじゃ、俺はこれで」


一歩間違えば本当に命を落とす事故につながっていたかもしれない。我ながら落ち着いていたなと思いつつ、その女性と別れた。











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