第65話:長い一日の終わり

 それから数十分後。


 俺達は電車で移動してゴリさんの家の最寄り駅に到着した所だった。という事で今日はこれにて解散となっていく。


「今日はお疲れさまでした! いやー、本当にめっちゃ楽しいコラボカフェでしたね!」

「うんうん、すっごく楽しいコラボカフェだったね! しかもアタシは最後の最後にクロちゃんから素敵な抱き枕までも譲って貰えたし、今日はもう本当に最高の一日だったよー!」

「はは、そんだけ喜んで貰えたなら良かったですよ。でもせっかくならゴリさんが一番欲しいって言っていたモデルガンを引き当てたかった所なんですけど、まぁ今回はその抱き枕で我慢してくださいね」

「あはは、我慢するだなんてとんでもないでしょー! アタシにとってはクロちゃんから貰ったこっちの抱き枕の方が物凄く嬉しいよ! だから本当にありがとね!」


―― ぎゅっ……


 ゴリさんはそう言いながら回復缶型の抱き枕をぎゅっと抱きしめていってくれた。


「いえいえ、感謝を言うなら俺の方こそですよ! だってあの時すぐにゴリさんがコラボカフェに誘ってくれなかったら多分もうコラボカフェの予約終了になっちゃって行けなかったと思うんで……だから今日は誘ってくれてありがとうございました!」


 という事で俺はゴリさんに向かって改めて今日のコラボカフェに誘ってくれた事に対するお礼を言っていった。するとゴリさんはそんな俺の姿を見てこう言ってきた。


「ううん、アタシの方こそ今日は一緒に来てくれて本当にありがとうだよ。だって実はアタシ……クロちゃんをコラボカフェに誘った時めっちゃ緊張してたんだよ。もしも断られちゃったらどうしようって内心すっごくドキドキしながら誘ったんだよね」

「え? そ、そうだったんですか?」

「うん、そうだったんだよ。だってアタシとしてはやっぱり一番仲の良いクロちゃんと行きたいって思ってたからさ……だからクロちゃんが快く一緒に行ってくれるって言った時は本当に嬉しかったんだ!」

「ゴ、ゴリさん……」


 ゴリさんはそう言いながら俺にとても優しい笑みを浮かべてきてくれた。


「という事で今日はそんな仲の良いクロちゃんと一緒に好きな事を共有出来てすっごく楽しかったよ! ふふ、それにしてもこんなにも気の合う友達が身近に居てくれるなんて本当に嬉しい事だよね!」

「あはは、確かにそうっすね。俺もこんなに何でも付き合ってくれる悪友というか友達というか……そんな感じの人が身近に居てくれて本当に嬉しいですよ!」


 ゴリさんがそんな嬉しい事を言ってきてくれたので、俺も本心からとても嬉しいと伝えていった。


「いやそれにしても前回はゴリさんとゲーセンに行って大好きな格ゲーを一緒に遊んでいって、そして今日は大好きなFPSゲーのコラボカフェで遊んでって……あはは、やっぱり俺達はゲーム大好きすぎっすよね? 俺達の遊ぶ目的っていつもゲーム関連しかないですよね」

「あはは、言われてみれば確かにそうだね。アタシ達だって一応遊び盛りな高校生のはずなのにね。ふふ、まぁでも“アタシ”と“クロちゃん”はこんな感じの付き合い方が良いっしょ? だからさ……ふふ、これからも沢山ゲームで遊んでいこうね!」

「はい、そうっすね! それじゃあこれからもよろしくお願いしますね!」

「うんうん、こちらこそだよ!」


 そう言って俺達は笑い合いながら今日は解散する事となった。


 やっぱりこれだけ気の合うゲーム友達がいるってのは物凄く嬉しい事だなと、俺は改めてそう思っていった。


◇◇◇◇


 その日の夜。


―― ピコンッ♪


「うん?」


 唐突に俺のLIMEにメッセージが飛んできた。宛先は……まさかの紗枝先輩からだった。


「あれ? こんな夜遅くにどうしたんだろう?」


 俺はそう思いながら紗枝先輩のメッセージを確認していってみた。すると……。


―― 神木君! これ本当に抱き心地最高だよ!

―― 改めてこんなに良い抱き枕を貰っちゃってありがとう! 本当に一生大切にするね!


 そんなメッセージが届いてきた。それは抱き枕をプレゼントした事によるお礼のメッセージだった。


「はは、やっぱり紗枝先輩はとても律儀な人だよな」


 俺はそんな事を思いながら返事のメッセージを送ろうとしたその時……。


―― ピコンッ♪


「あれ? 今度は画像が添付されてる?」


 返事を送ろうとしたらその瞬間に先輩から添付ファイルが送られてきた。どうやら今度は写真のようだ。俺は何だろうと思いながらその写真を見てみると……。


「え……なっ!? ななななっ!?」


 その送られてきた写真とは鏡越しに先輩が抱き枕をぎゅっと抱きしめている所の写真だった。


 鏡越しで下半身しか移ってなかったんだけど、先輩は抱き枕を両足でしっかりと挟みこんでいる写真だった。


「す、すごいな、先輩の生足なんて初めて見たぞ……めっちゃ細くて肌白いんだな……!」


 どうやら先輩は既にパジャマを着ているようで、下半身にはミニのズボンを着用しているだけだった。という事はつまりこれは先輩の生足写真というわけで……。


(いや生足で抱き枕を両足でぎゅっと挟みこんでる写真とか……何だか滅茶苦茶エロいんだけど!?)


 それに先輩は足のお手入れもしっかりとしているようで、足の爪もめっちゃピカピカに磨かれているようだ。先輩ってこういう細かい所でもちゃんと女子力を発揮しているんだなぁ……。


「いやそれにしても何というか……めっちゃえっちぃ感じの生足だなぁ……って、馬鹿馬鹿! 俺は変態かっ!? せ、先輩をそんな風なえっちぃ目で見ちゃ駄目だろ!!」


 まさか最後の最後で煩悩に悩まされる事になるとは思わなかった。でもまぁ……これほどまでに喜んでくれたのなら……うん、先輩に抱き枕をプレゼントして良かったな。


 という事で今日は最後まで色々な事があったけど、でも本当に楽しい最高の一日だった。


【第二章:完】


―――――――――

・あとがき


これにて第二章は終わりとなります、ここまで読んで頂きありがとうございました。


☆評価やフォローをしてくださった皆様にも本当に感謝です。評価やフォローをして下さったおかげで私自身の執筆作業の励みとなっておりました!


第二章が終わりましたので次はいつも通り間章を書いていく予定です。

前回の間章はゴリさんメインの話でしたので、今回の間章は七種先輩メインの話を書く予定です。


そしてこれからも更新頻度は4日に1回のペースでの投稿となりますので、今後とものんびりと更新を待って頂けると嬉しく思います。


また、昨年の11月に本作品である「煽り煽られしてたネトゲ仲間が品行方正な美人先輩だった話」がファミ通文庫様から発刊されました! イラストレーターは可愛い絵を描く事に定評のあるたん旦先生です!


品行方正な制服姿の七種先輩や、三つ編みメガネっ子なゴリさんの美麗なイラストが見れますので、もしも気になる方がいましたら是非とも手に取って頂ければ幸いです!


という事でこれからも楽しく読んで貰えるように頑張っていきますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します!

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