第62話:ゴリさんとコラボカフェを堪能していく

「そ、そうだよね。ごめんごめん、ちょっと興奮のあまり自分を制御出来なくなりそうになってたよ……いや今日はクロちゃんが近くに居てくれて本当に助かったよ」

「いえいえ、全然大丈夫っすよ。ってかそれにしても……はは、ゴリさんに銃って何だか意外と似合ってますよ」


 三つ編みメガネっ子スタイルの恰好にショットガンは若干ミスマッチのように見えたんだけど、でも意外と様になっていて何だか写真映えがしそうな感じがした。


「えっ? 本当に!? アタシもシュワちゃんみたいになれてるって事かな?」

「い、いや流石にシュワちゃんみたいにってのは難しいと思いますけど、でも今のゴリさんもめっちゃカッコ良いっすよ!」

「えへへー、いやー、それは何だか普通に嬉しいなー! ふふ、よし、それじゃあ早速撮影しに行ってみようよ!」

「はい、了解です!」


 という事で俺達はワクワクとしながら撮影ブースの方に移動していった。そして撮影ブースに辿り着くとゴリさんはショットガンを肩に担ぎながらドヤ顔を決めてきた。


「よし、それじゃあこのポーズで写真撮ってー!」

「はい、わかりました。それじゃあ撮りますよー、はい、チーズ」


―― パシャッ!


 俺はショットガンを担ぎながらドヤ顔を決めているゴリさんの写真を何枚か撮っていった。


「はい、オッケーです!」

「ありがとクロちゃん! ふふ、どうだったかな? カッコ良く撮影出来たかな?」

「はは、そうっすね。めっちゃカッコ良く撮れたと思いますよ。はいこれが今撮った写真です」


 そう言って俺はスマホで撮影した写真をゴリさんに見せていった。


「どれどれー? ……って、おぉ! 良いね良いね! めっちゃカッコ良く撮れてるよ! うんうん! 本当にありがとー!」

「いえいえ、それだけ喜んでくれて何よりですよ」


 ゴリさんは満面の笑みを浮かべながらそんな感想を伝えてきてくれた。その様子からしてとても喜んでいるというのがよくわかったので、俺としても嬉しい気持ちで一杯だ。


「よし、それじゃあ今度はクロちゃんが写真を撮りなよー。今度はアタシが写真撮影してあげるからさ!」

「ありがとうございます! それじゃあせっかくなんで俺も一番好きな銃を持ってきますね!」

「うんうん、了解したよー」


 という事で俺達はコラボカフェに入ってすぐに撮影ブースで大はしゃぎをしていったのであった。


◇◇◇◇


 それから一時間程が経過した。


 写真撮影を終えた俺達はそのまま店内をグルりと回って行き、限定グッズを買ったり、キャラのコスプレをしているお姉さんの写真を撮ったり、限定料理を食べていったりした。


 そして店内を全て巡り終えた俺達は、今は休憩スペースのベンチに座りながら一休みをしている所だった。


「うん、決めた。今日からアタシここに住むわ」

「い、いや流石にそれは駄目っすよ!」


 ゴリさんは物凄く真面目な顔をしながらそんな事を言ってきたので俺は慌てて制止した。


「あはは、嘘だよ嘘。流石のアタシでもそんなヤバイ事するわけないでしょー?」

「い、いやゴリさんって嘘か本当かわからない事結構やらかしてくるんでめっちゃ怖いんですけど……? あ、というか時間制限があるからそろそろ出る準備をしないとマズイっすよ」

「あー、確かにそうだね。そろそろ次のお客さんとの交代の時間だもんね……」


 今回のコラボカフェは完全予約制のため予め時間制限が設けられている。そしてそろそろ俺達はコラボカフェから退出しないといけない時間に差し迫っていた。


「ちゃんとお土産は沢山買ったし、コラボカフェ限定の料理も食べたし、写真撮影もちゃんとやったし、コラボカフェでやり残した事はもう無いよね? よし、それじゃあ最後に大本命のクジ引きをして帰ろうか!」

「はい、わかりました!」


 前にも言ったように今回のコラボカフェでは使った金額に応じて最大三回までのクジ引きが引けるんだ。そしてそのクジ引きのブースはコラボカフェの出口近くに設営されている。


 だから必然的にクジ引きはコラボカフェから帰る直前にのみ行う事が出来るイベントとなっているのだ。


「いや正直今日は最後に引く事が出来るこのクジ引きが凄く楽しみでしたよー! 俺かゴリさんのどっちかは良いのが当たって欲しいですよね!」

「うんうん、そうだよねー! まぁでもクロちゃんは爆死ガチャ大好きっ子らしいから全然期待なんてしてないんだけどさ」

「いや別に爆死ガチャは好きなわけじゃないですからね!?」


 まぁそんな事を言った割には先月もスマホゲーのガチャで大爆死したんだけどね……そしてもちろんゴリさんに大爆笑されたのは言うまでもない。


「あはは、ごめんごめんって。まぁアタシ達のどっちかは一等とか二等が当たってくれたら嬉しいよね! よし、それじゃあ早速クジ引きのブースに行ってみよー!」

「はい、わかりました!」


 という事で俺達は気を取り直して本日最後のイベントであるクジ引きのブースへと向かって行った。

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