第60話:ゴリさんとコラボカフェに行く約束を交わす
「うーん、どれどれ? ってこれは……コラボカフェのサイトですか?」
ゴリさんが送ってきたURL先はコラボカフェの情報サイトだった。ゲームやアニメ、漫画などの様々なコラボカフェの情報が集約されているサイトのようだ。
『うん、そうそう! 実は私さ、コラボカフェに行ってみたいんだよ!』
「あ、そうなんですか? ……って、いや別に行ってみればいいじゃないですか?」
『いやちょっと! 何よその他人事みたいなノリは! クロちゃんも一緒に行くんだよ!!』
「え? 俺も一緒に行くんですか? い、いやまぁ予定が合うなら全然いいですけど……でもゴリさんがコラボカフェに行きたいって言うのは何だか珍しいですね?」
俺やあたぎさんはゲーム以外にもアニメとか漫画はかなり好きなんだけど、でもゴリさんはそういうサブカル系には興味があんまり無い人だった。
だからゴリさんが自ら率先して何かのコラボカフェに行きたいなんて言うのはちょっと意外だったのでビックリとしてしまった。
『えっ!? いや流石にこのコラボカフェには行きたいでしょー! だってLPEXのコラボカフェなんだよ! ほら、真ん中のバナーを見てみてよ!』
「え……って、えっ!?」
ゴリさんにそう言われたのでホームページの真ん中にあるバナーを見てみると、そこには大きな文字で“LPEXコラボカフェ開催中”と書かれていた。
「ま、まじっすか!? これは確かに俺もめっちゃ行きたいっす! ……あれ、でもLPEXのコラボカフェって結構前に予約殺到して打ち切りになってませんでしたっけ?」
でもその時にふと思い出したんだけど、そういえばこのコラボカフェの予約受付をしてたのって今から半年くらい前の出来事だ。
それでその時に俺もこのコラボカフェは非常に気になっていたので、行こうかどうしようか悩んでいたんだけど……でもLPEX人気があまりにも凄かったので俺が悩んでいる間に予約が殺到してすぐに予約が打ち切られてしまったんだ。
(いやだってさぁ……流石に一人でコラボカフェに行く勇気は無かったんだもん……)
当時はゴリさんが七種先輩だなんて知らなかったし、その時期はまだオフ会をやってみようという空気は全然なかったからなぁ……。
という事で俺一人で行こうか悩んでいたら、すぐに予約が打ち切られてしまい結局行く事が出来なくなったというオチだった。
『うん、そうそう! クロちゃんの言う通り事前予約はだいぶ昔に終わっちゃったんだけど……でも予約キャンセルが出たらしくてさ、急遽予約受付が再開したんだよ!』
「え、そ、そうなんですか!?」
俺はそれを聞いてすぐさまLPEXコラボカフェのバナーをクリックして専用サイトに飛んでいってみた。
すると専用サイトの一番目立つ部分に“予約受付再開”というお知らせが表示されていた。
「わっ! ほ、本当っすね! いやまさか予約再開するだなんて物凄いラッキーじゃないですか!」
『うんうん! 本当にそうだよね! ……って事でさー、良かったらこのコラボカフェに一緒に行ってみない?」
「い、いやそりゃあ俺も行ってみたいですけど……でもゴリさん受験勉強は大丈夫なんですか?」
『あはは、そんなの全然大丈夫だよ! ちゃんと毎日しっかりと勉強してるんだから一日くらい遊びに出かけたって問題ないよ! だからアタシの息抜きのためにもさ、クロちゃんも一緒にコラボカフェに行こうよー!』
「な、なるほど……まぁゴリさんが大丈夫だっていうんなら……はい、わかりました! それじゃあ一緒に行きましょうか!」
『おっ! やったね! うんうん、それじゃあ一緒に行こうー!!』
という事で俺はゴリさんのお誘いに乗って一緒にコラボカフェに行く約束を交わしていった。まぁ元々ゴリさんの息抜きに付き合うっていう約束だったしな。
それに俺もLPEXのコラボカフェには行ってみたいと思ってたから、ゴリさんに誘って貰えて本当に良かったよ。よし、今の内にコラボカフェで何を買うかチェックしとかなきゃだ!
『あはは、でもクロちゃんが一緒に来てくれるって言ってくれて本当に良かったよー! いや実はさ、LPEXのコラボカフェには一人で行くよりも二人で行った方がちょっと良い事があるんだよね!』
「え、そうなんですか? 良い事って具体的にどんな事があるんですかね?」
するとゴリさんが何やら含みのある発言をしてきた。普通に気になったのでその良い事についてすぐに尋ねていってみた。
『うん、実は今回のコラボカフェでは一定以上の金額を使うとさ、そのレシートを使ってクジ引きが出来るらしいんだよ! それでクジ引きの景品はハズレ無しで1等~6等まであって、最後の一枚を引いたらラストワン賞もあるんだってさ!』
「へぇ、何だかコンビニにある一番くじみたいな感じですね。あ、なるほど、それじゃあお互いにそのクジを引いてみて、お気に入りキャラとか欲しい景品が当たったらトレードしようって話ですか?」
『そうそう、そういう事だよ! ほら、偶然にも私とクロちゃんって好きなキャラとか武器とか全然被ってないじゃん? だからお互いに欲しい景品が当たったらトレードとかしたいなって思ってさー!』
「あ、なるほど、確かにそれは良い案ですね! ちなみにゴリさんが欲しい景品とかはあるんですか?」
『うんうん、もちろんあるよー! 二等の景品にオモチャのモデルガンがあるんだけどさー……その中に私の大好きなショットガンのモデルガンが入ってるんだよね! いやもうそれがめっちゃ欲しいんだよ!』
「あはは、そういやゴリさんって近距離でショットガンをぶっ放すの大好きですもんね! はい、わかりました! まぁ流石に二等を当てられる程の運量は持ってないと思いますけど、それじゃあもしも二等の景品が当たったらゴリさんにあげますよー」
『えっ、良いの!? やった! ありがとうクロちゃんー!」
俺がクジ引きの景品についてそんな事を言っていくと、ゴリさんは今日一番のテンションでそう返事を返してきてくれた。まぁそれ以外にも何かしらお互いに欲しい物がクジ引きで当たったら嬉しいなー。
「よし、それじゃあ早速コラボカフェに行く日を相談したいんだけどさ、クロちゃんはいつ空いてるとかわかる?』
「あ、はい! えっと、それじゃあですね……!」
という事でこの後も俺達はコラボカフェに関する打ち合わせで盛り上がっていったのであった。
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