第56話:コラボカフェに行きたかったなぁ(千紗子視点)
「……ま、とりあえずいっか。神木君がオフラインなのは仕方ない事だし、また改めて神木君がインしてる時に遊ぼうって連絡する事にしよう」
という事で神木君への連絡はまた今度する事にして、今日はまたネットサーフィンへと戻っていく事にした。どれどれ、何か他に面白そうなゲームの情報とかないかなー?
「ふんふん~ん……って、あれ?」
その時、ふと攻略サイトの上部に掲載されている“新着情報”の項目に目がいった。そしてその新着情報に書かれている内容というのは……。
「って、あっ、コラボカフェの話かー! いやー、私も行ってみたかったなぁー」
その新着情報に書かれているのは今月から期間限定で始まったLPEXのコラボカフェについての話だった。
私もこのLPEXのコラボカフェには行ってみたかったんだけど、でも大人気ゲームのコラボカフェという事で参加するためには事前予約が必須だったんだ。
そしてそのコラボカフェの事前予約は今から半年くらい前に始まったんだけど、でも予約受付が始まるとすぐに全ての予約が埋まってしまったんだ……。
という事で現状ではもう予約が出来ないので、今からこのコラボカフェに行きたいと思ってももう行くのは無理なんだ。
「いいなー、このコラボカフェすっごく面白そうなんだよなぁ……」
私にとってLPEXは大好きなゲームタイトルの一つだったので、出来る事なら私もこのコラボカフェに行ってみたかったんだけど……でも当時の私はこのコラボカフェの事前予約をしなかったんだ。
だってさ……やっぱり大好きなゲームのコラボカフェだからこそ、一人で行って静かに楽しむんじゃなくて、同じゲーム好きな人と一緒に行ってワイワイとお喋りとかをしながら楽しみたいなって思っていたからさ……。
「だから事前予約が始まったあの時は一人で予約して行くという気にはなれなかったんだよねぇ……」
誰かリアル友達でLPEXをやってる人がいたら速攻で事前予約したんだろうけど、でもあの頃にそんなリアルのペクス友達は一人もいなかったからなぁ。
まぁそんな感じで中々一人で行こうという踏ん切りをつけずにいたら、案の定だけど事前予約が早々に打ち切られてしまったというオチだった。
「ちぇっ……もうちょっと早くにクロちゃんが神木君だってわかってたらなぁー」
まぁでも事前予約の受付が開始されたのは今から半年以上も前の出来事だし、その頃はまだクロちゃんが神木君だったなんて知りもしないし……いやそもそもあの頃はまだクロちゃんとオフ会をしようっていう雰囲気にも別になかったしね。
でも、もしもその頃からクロちゃんが神木君だって知ってたら絶対に一緒に行こうって誘ったんだけど……ま、そればっかりはしょうがない事だし、今さら悔やんでもしょうがないか。
「……あ、そうだ。もうコラボカフェは始まってるし、行ってみた人の感想とかトイッターに沢山あがってそうだよね。うーん、ちょっと見てみようかな」
という事で私は早速トイッターを開いてLPEXのコラボカフェについての感想を調べてみた。
すると“とても楽しかった”とか“めっちゃ興奮した”とか“料理が凝ってて凄かった”とかのかなり肯定的な感想がズラっと並んでいた。そしてさらに店内で撮影したと思われる写真も沢山投稿されていた。
「うわ、本当に凄いじゃん! 内装もかなり凝ってるし、店員のお姉さんもコスプレしてて凄く綺麗だし、それに料理も凝ってて美味しそうだなー!」
トイッターに投稿されている写真を眺めていると、そこには完成度の高いコスプレをした店員さんや、ゲームキャラ達をイメージした各種フードやドリンク、さらにはゲーム世界を彷彿とさせる内装と、ゲーム内で使える武器のレプリカがズラっと壁に立て掛けられている写真などが投稿されていた。
今回のコラボカフェは“LPEXが好きな人なら至る所で興奮する事間違いなし!”という謳い文句だったんだけど……うん、これはトイッターを眺めているとまさにその通りだね。写真を見てるだけでも私には凄く楽しそうな空間だっていうのがとても伝わってくるもん。
「いやー、それにゲーム内で使える武器のレプリカもちゃんと壁に飾られてるのもかなり凄いよね……って、あっ! 私の大好きなショットガンのレプリカもちゃんと立て掛けられてるじゃん! う、うわぁ、これはすっごいなー! ちゃんと細部までしっかりと作り込まれてるよ! いいなぁ……私もこんなにも作り込まれてる愛用武器を実際に見てみたかったなぁ……」
そのショットガンはゲーム内だとあまり皆からは使用されてこなかった不遇武器ではあるんだけど、それでも私にとっては初めてプレイした日からずっと愛用してきた相棒武器である事には変わりないわけで。
だからもしもそんな相棒武器のレプリカを実際に見る事が出来たとしたら、きっと私のテンションは爆上がりしてたんだろうなぁ。はぁ、私も行ってみたかったなぁ……。
「……って、あれ? でもさ……何で新着情報でコラボカフェの話が出てくるんだろ? 事前予約はずっと前に終わっちゃってるから新規の人はもう入れないはずなのにさ。うーん……まぁよくわからないけどリンクが貼られてるし、ちょっとだけ確認してみようかな?」
という事で私は少し不思議に思いながらも、そのコラボカフェの新着情報のリンク先に飛んでみた。するとそこに書かれていた内容は……。
―― 予約キャンセルが発生したので、これからキャンセル分の予約受付を先着順で始めます。予約受付フォームはこちらから移動してください。
「ふぅん、そっかそっかー、また予約が出来るようにな……て、えぇぇええっ!? ま、また予約出来るようになるの!? しかも先着順なの!?」
も、もしかしてこれって……事前予約をしてなかった私にもコラボカフェに入れるチャンスが生まれたってコト!?
「や、やばいじゃん! 急いでキャンセル出た日程の確認をしなきゃっ!」
という事で私は急いで予約受付フォームに飛んでいき、現時点で予約が可能な日にちを確認していった。えぇっと、今から新規に予約が出来る日は……うん、まだまだ予約出来る日は沢山残ってるね!
「……よし! これなら今日中に予約受付をすれば大丈夫そ……って、あぁ、そうだ! あの子にも連絡しなきゃだ!!」
という事で私はすぐさまスマホのLIMEを開いて“
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます