第20話:ゴリさんにあたぎさんのオフ会の話をしていく
『でもさーこの短期間でちゃんとレベルアップしててビックリしたよ。 一体どんなチート使ったん?』
「いや何もしてないっすよ。 しいて言うならあたぎさんと一緒にプレイしてたくらいですかね」
『あぁ、なるほどなー、あたぎさんはあそこの会社が出してる格ゲー大好きだもんね。 じゃあクロちゃんはあたぎさんに特訓してもらった感じかー』
「まぁそんな感じですね。 本人はブランクあるからなーって弱気な事を言ってましたけどめっちゃ強かったすわ」
あたぎさんは俺と同じで漫画やアニメとかサブカル系が好きなオタク女性(若干腐寄り)だ。 そして今回の格ゲーを販売している会社は他の人気ゲームやアニメとのタイアップでそのタイトルの格ゲーを出してくれたりする。
それでだいぶ昔なんだけど、子供の頃にあたぎさんが大好きだったゲームがその会社で格ゲーになって発売されたらしく、当時のあたぎさんはその大好きなタイトルの格ゲーをかなりやり込んでいたらしい。 タイトル名は忘れてしまったけど、なんかこう……主要人物は皆メガネをかけててカットイン演出がカッコいいゲームだって言ってた気がする。
『あはは、あの人めっちゃ上手かったでしょ? アタシも前に戦った事あるけどガチで強くてビックリしたもんなー。 あ、忘れてたけどあたぎさんどうだった? 元気そうだった?』
「あ、はい、元気そうでし……いや元気ではないか?」
『んー? どゆこと??』
「あぁ、えっとですね……」
俺は数日前のあたぎさんとの会話を思い出しながらゴリさんにも話してみた。
◇◇◇◇
『なるほどー、やっぱりお仕事大変そうなんだね』
「そうらしいですね。 まぁでも今は落ち着いたって言ってたから、またちょくちょくインするらしいっす」
『うん、それなら良かったよ! これでまた近い内にあたぎさんとも一緒に遊べそうだねー。 でも関西勢はオフ会とかやってるのは知らなかったなー』
「俺も全然知らなかったっす。 あたぎさんの話を聞いた感じだと関西勢のオフ会めっちゃ楽しそうですね」
『あはは、結局ただの飲み会になるってやつでしょ?ww あたぎさんはお酒大好きだもんなーw』
「ですねーw だから今月のオフ会に行けなくて凄い残念そうでしたよ。 あ、そういえばゴリさんって今までにオフ会とかに行った事ってあります?」
『アタシ? いや無いかなぁ……って、あっ! でもオフ会ってわけじゃないんだけど、あたぎさんとはリアルで1回だけ会った事あるよ』
「え、何それずるい! って、え? それってもしかして俺だけハブにされてます??」
『そんなわけないでしょww いや去年の話なんだけどね、アタシの学校の修学旅行先が大阪だったんよ』
「あ、そうだったんですか?」
『うん。 それでその事をあたぎさんに言ったらさ、“お金多めに払うから都内にあるコラボカフェ行って私の欲しい商品買ってきて!!!”って言われてさ。 それでその頼まれた商品を買って、それを手渡すために大阪の修学旅行中にあたぎさんと会ったのよ』
「あはは、なんすかそれw でもそういう話を聞くと、あぁやっぱりあたぎさんもオタクなんだなーって実感出来ますわ」
『あはは、確かにねw まぁそんな感じでオフ会って訳じゃないんだけど、あたぎさんと少しだけ会う事が出来たというお話でした』
何ともあたぎさんらしいエピソード話だったので俺とゴリさんは一緒になって笑ってしまった。
「あ、そういえば実際に初めてあたぎさんと会う時ってどうでしたか? やっぱり緊張とかしましたか?」
『んーまぁそりゃあ少しは緊張したよ、あたぎさんって私達よりも若干年上だしね。 でもあたぎさんとは数年来の付き合いだし、アタシとしてはかなり仲の良い友達だと思ってたから緊張よりも嬉しさの方が勝ってたよ』
「あぁ、確かに俺も同じ立場だったら緊張よりも嬉しいって気持ちの方が勝つかもっす! あ、それで、実際に会ってみてあたぎさんってどんな感じの人でしたか? やっぱりリアルでも気さくで優しい感じでしたか?」
『あぁうん、実際に会った時も凄く優しくてとっても良い人だったよー! それに見た目はショートヘアの似合うカッコ良い大人の女性って感じでさー、何だか本当にアタシのお姉ちゃんみたいだなって思っちゃったもんw』
「あはは、やっぱりあたぎさんってリアルでもお姉さん属性だったんですねw でもいいなー、そういう仲の良いネット友達とはまだ誰とも会った事ないからめっちゃ羨ましいっす!」
ゴリさんともあたぎさんともそれなりの付き合い歴があるのに、俺はそのどちらとも会った事が無いから普通に羨ましい限りだ。
『あははw でもそういう仲の良い友達とかについて考えてみるとさー、アタシとクロちゃんの友達歴ってめっっちゃ長いよねー! ネトゲ仲間の中だと友達歴はクロちゃんとが圧倒的に一番長いもんw』
「あはは、それは俺も同じくですよー。 だってもうゴリさんと知り合ってから三年以上経ってるんですからね。 いやぁ、今までの事を思い返してみるとゴリさんとは色んなゲームを一緒にやってきましたよねー!」
『確かに確かに! そう言われてみると何だか懐かしいねー! あはは、よくもまぁこんなに喧嘩ばかりしてきたのに仲違いせずに友達続けてこれたよねーww』
「いや本当ですよ全く!w 俺ゴリさんとの友達歴は確かに一番長いっすけど、喧嘩した回数もゴリさんとが圧倒的に一番ですもんw」
『あ、やっぱり??ww あはは、まぁでもそういう昔の事とかを思い返してみるとさー、一番最初にオフ会するとしたら……うん、アタシはやっぱりクロちゃんとが良いかなー』
「え、めっちゃ嬉しい事を言ってくれるじゃないっすか! あはは、確かに俺も初めてオフ会をするんだったら一番最初はゴリさんとが良いっすねー!」
『あはは、そっかそっかー! ……ならよしっ! じゃあやるか! オフ会!』
「あははーって、えっ!? ま、まじっすか!?」
それは突然の出来事だった。 まさかのゴリさんが初めてのオフ会を提案してきたのであった。
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