第18話:マンガを読んでたら唐突にネトゲ友達からメッセージが飛んできた
その日の夜。 学校から帰宅し晩御飯を食べ終えた後、俺は自分の部屋に戻ってベッドに寝ころびながらマンガを読んでいる所だった。
“ぴこんっ♪”
「んー?」
その時、俺のパソコンから何かの通知音が飛んできた。 この音は俺のパソコンに入れている通話チャットアプリの通知音だ。 ゲーム仲間の誰かが俺にメッセージを飛ばしてきたのだろう。
俺はそのメッセージの内容を確認するためにベッドから立ち上がりパソコンを置いてる机の方に向かった。 そして俺はパソコンの前に座って、送られてきたメッセージを確認したのだが……
―― やんぞ!
送られてきたメッセージはその4文字だけだった。 もちろんそのメッセージの送り主は俺の一番仲の良いゲーム友達からだった。 返信が遅くなったら迷惑かけちゃうと思ったので取り急ぎ返信を送った。
―― 無理ー
「これでよし、と」
簡潔に3文字だけを打ち込んでそのゲーム友達に送りつけた。 そして俺はマンガの続きを読むためにベッドの方に戻ろうとすると……
“トゥトゥルルー♪ トゥトゥルルー♪”
「え、いきなりっ!?」
その返信からたった2秒後にその人から通話がかかってきた。 俺はビックリしながらも急いでヘッドセットを装着してその通話に応答した。
「おつかr」
『うっせぇ!! さっさとやんぞ!』
「うわビックリした! あ、ゴリさん久しぶりっすねー」
『あ、うんそうだね久しぶりーって違うだろ!! 無理って何よ無理て!』
「あはは、何か懐かしいっすね、この感じw」
『はぁ? 何わらとんねん! こっちはキレてるんだけど??』
ということでメッセージの送り主はゴリさんからだった。 まぁわかりきっていたけどあのメッセージは“ゲーム一緒にしよう”っていうお誘いの連絡だったようだ。
「いやでもいいんですか? ゴリさん受験生でしょ?」
『いいんだよ、今日チートデイだから』
「え、なんすかそれ? ボディビルダーにでもなるんすか?」
『違うわ! 今日は一日勉強しないって決めた日なんだよ。 どんなことでも休息は必要でしょ?』
「んーまぁ確かにそれはそう」
『でしょー? だからさアタシのチートデイに付き合ってよー』
「そうっすねぇ……まぁ、ゴリさんが大丈夫だって言うならやりますか?」
『おっ、なんだよーw クロちゃん無理だって言ったクセに結局やれるんかいww 本当はクロちゃんもアタシと一緒にやりたいんじゃんww』
「あーいや、俺が無理って言ったのには訳があって、」
『あ、そっかわかったわかった! クロちゃんアタシがいなくて寂しかったんしょ? 本当にもうクロちゃんアタシの事好きすぎでしょww』
「え、いや全然っすけど?」
『おいコラ待て泣くぞ!』
「あ、ってか忘れてたっ! ゴリさん俺の事ボコボコにしたって嬉しそうにトイッターに呟いてたらしいじゃないっすか!!」
『さーてどうしよっかクロちゃん? 今日は何して遊ぼっか?』
「おいコラ待て無視するな!」
ということでゴリさんとの久々の通話なのに結局いつも通り喧嘩から始まるのであった。 いやまぁ俺達らしいっちゃらしいけどさ。
『あれでもクロちゃんトイッターもうやってないよね? なんでアタシがそれ呟いた事知ってるん??』
「あぁ、それはですね、」
ゴリさんが言ったように俺はトイッターはやっていない。 昔は俺もやってたんだけど、当時トイッター経由で組んだ野良の人から“下手くそ。 ゲームやめろ。 タヒね”というファンメが飛んできたので、それにムカついてアカウントを削除してしまった。
「ちょっと前にあたぎさんが教えてくれたんすよ」
『え!? あたぎさん帰ってきたの?』
「はい、2~3日前に帰ってきましたよ。 んでその時に、俺の事をボコボコにして気持ちよさそうにしてる脳筋ゴリラがいるって聞いたんですわ」
『いやちょい待ち! アタシの事を脳筋ゴリラ呼ばわりしてんのこの世に一人しかいないんだけど??』
「あ、そうなんすか? なるほどー、じゃあゴリさんの事を脳筋ゴリラって呼んでるのあたぎさんしかいないんですね!」
『いやテメェだけだよ!!』
「あっ、話全く変わるんすけどゴリさんいない間に格ゲーの特訓してたんで再戦してもらっていいっすか?」
『だから人の話をちゃんと聞け……って、え、本当に!? やろうやろう! 今から準備するから待っててなー!』
「了解っすー!」
そんな感じで今日もいつも通りゴリさんと罵り合いながらのゲーム対決が始まるのであった。
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