第14話:あたぎさんに関西勢のオフ会話を聞いていく

「そういえば関西勢のオフ会ってどこら辺でやってるんですか?」

『んー、基本的には大阪集合やなー。 新地とか心斎橋とかなんばとか、まぁ飲み屋があればもう何処でもええやんっていう軽いノリでいつもやっとるよー』

「へ、へぇ、なるほどー?」

『あはは、クロ君何処だそれ?って声だしとるやんw』

「えっ!? あ、あはは……w」


 聞いてみたけど普通にわからない地名だったので、とりあえず相槌だけは打ってみたんだけど一瞬でわかってない事がバレた。 まぁ多分だけど都内で言う所の新宿とか渋谷みたいな所なのかな?


「あ、でもなんばってあれでしたっけ? グリコの看板がある所ですか?」

『おー、そうそう! なんやクロ君こっそりと大阪の勉強しとるなー? あははっ、そんな勉強熱心なクロ君には今日から大阪マスターの認定をしといたげるわw』

「いやなんすかその称号w 大阪マスターになんてなれないっすよw」


 ということであたぎさんから良くわからない称号を貰った。


『ま、話し戻すけどや、もしこっちに遊びに来る事があれば気軽に言ってなー』

「はい了解っす!」

『あ、それともし何処か行きたい所とかがあったら先に言ってな? もし知ってる所なら案内とか出来るかもしれんし』

「行きたい所っすか? うーん……あ、でもとりあえず大阪のゲーセンには行ってみたいっすね!」

『は? ゲーセン??』

「はいっ!」


 俺が行きたい場所として真っ先にゲーセンを挙げると、あたぎさんは大きな声で笑いだした。


『あ、あははは! 何やそれww 観光地と全然違うやんww クロ君はほんまにゲーム大好きっ子やなぁw』

「そりゃあ生まれてからずっと大好きっ子ですからねw いやでも知らない土地のゲーセンって何だかワクワクしませんか? 俺はめっちゃするんすけど」

『いや私もその気持ちはわかるよw あはは、なるほどなー、じゃあもしクロ君がこっちに遊びに来る事があったら日本橋にっぽんばしでも案内しよか?』

「え? にっぽんばし? にほんばしじゃなくてですか?」


 今度はさっきとは違って俺の知ってる地名が登場してきた。 でも俺の知っている読み方と微妙にイントネーションが違ったので違和感が凄かった。


『あー、そういや東京のは“にほんばし”って言うんやっけ?』

「あ、はい、にほんばしって呼びますね。 え、大阪にも同じ地名があるんすか?」

『うん、そうそうー。 大阪にも同じ日本橋っていう地名があるんやけど、こっちのは“にっぽんばし”って呼ぶんよ。 同じ日本かつ同じ地名なのに、読み方だけが違うってめっちゃ変やんなぁ? あははw』

「あはは、確かに違和感凄いっすねw でもなんで漢字同じなのに読み方違うんすかね?」

『いや知らんしw 大阪マスターなんやから自分で調べときw』

「んな無茶なw」

『ほんで理由がわかったら私にも教えてなw』

「はは、わかりましたよw それで? 結局日本橋ってどんな所なんすか?」


 日本橋の読み方についてはまたいつかという事で、とりあえず先ほどの話しに戻した。


『んー? あぁ、すっかり忘れてたわw えっとなぁ、大阪の日本橋は東京で言う所の秋葉原みたいな場所なんよ』

「えっ!? 大阪にも秋葉原みたいな所あるんすか! 何それ絶対に面白そうな所じゃないっすか!」

『うんうん! クロ君の大好きなゲーセンもあるし、PCショップにホビーショップや本屋もあるし、もちろんメイドさんもおるでw』

「いやそれもう完全にアキバですやん!」

『あはは、まぁもちろん規模はアキバに比べたらめっちゃ小さいけどなー。 それでもクロ君なら楽しめると思うよー?』

「へぇーそれ良いっすねー! そういう所を巡るの楽しそうだな……あっ!」

『ん? どうしたのクロ君?』

「す、すいません、PCショップとかの話が出てきて今更思い出したんすけど……そ、そういや今俺が使ってるキーマウ類が壊れてる事すっかり忘れてましたわ……」


 久しぶりのあたぎさんとの会話で盛り上がってしまい、俺のキーボードやマウス類が故障している事をすっかり忘れてしまっていた……いや、一緒にゲームしようって誘っておいて何してるんだ俺は!


『ちょいちょーい! 何かゲームやるんやなかったんかい!w』

「だ、大丈夫っす! コンシューマーゲームなら出来るんで……って、そうだ! そういやあたぎさんあの新作ゲーム買いました?」

『え? あぁうん、あの格ゲーやろ? もちろん買ったよー。 あ、そういやクロ君さ、ゴリちゃんに格ゲーでボコボコにされたんやってな?ww』

「えっ!? な、何で知ってるんすか!?」

『え? やってゴリちゃんトイッターで嬉しそうに呟いてたで? 完勝したスクショのオマケ付きでな。 あの対戦相手ってクロ君の事やんな?』

「……あ、あんの脳筋ゴリラほんま……!』


 いつの日か必ずあの脳筋ゴリラにわからせてみせるからな……


『あはは、ほんなら今日は格ゲーやろか? 私ならブランクめっちゃあるし、クロ君と良い勝負になるんやない?』

「あ、じゃあ是非ともお願いします! マジでいつかあの脳筋ゴリラ倒したいんで、その特訓に付き合ってほしいっす!」

『うん、了解了解。 ゴリちゃんへのリベンジ頑張ってなー、応援しとるよー』

「あざっす!」


 という事でこの日はあたぎさんと雑談をしながら格ゲーをしていった。 ネット対戦の合間にもあたぎさんの仕事の話や、趣味の話とかで盛り上がった。 そして一番盛り上がった話は、やっぱりオフ会の話だった。


(オフ会かぁ、楽しそうだなー)


 今までオフ会とかそういうのはあんまり考えてこなかったんだけど、あたぎさんとの会話でそういうのにも興味が出てきた。 実際に大阪に行く事があるかはわからないけど、もしいつか行く事があったら、その時はあたぎさん達関西組に連絡してみようと思った。

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