生成結果33:リゲイン・ホステージ

もとの文章】

  「キャーッ‼︎」と絹を裂くような悲鳴が聞こえて俺たちは振り返った。

目に飛び込んできたのは、大柄な男に抱えられた小さな男の子の姿だ。

象三しょうざ⁉︎」賢木原爽さかきばらさやかの叫ぶ声がした。

象三とは、彼女の半血の弟・象三郎しょうざぶろうくんのことだ。

「何っ⁉︎」俺は慌てて彼女の方に目をやった。

「待て、この野郎!」

爽は叫ぶや否や男に向かって突っ込んで行った。

しかし、男は祭りの人波の中へ逃げ込もうとする。

「逃がすかよ!」と赤茶色の髪をした少年が小柄で黒髪の少年を誘って走り出した。

若狭聖わかさあきら青野恭平あおのきょうへいの俊足コンビが追跡に打って出たのだろう。

真王なお⁉︎」俺は思わず尋ねた。

「クロシー、ベルギー、フォロー行けるか?」

「兄さんの頼みとあらば、いつでも!」

「よし、クロシーは賢木原か聖のあとを追ってくれ、ベルギーはキョーちゃんだ。俺は別行動中の連中に緊急召集かける!」

「了解!」クロ・ベルコンビは一目散に駆け出した。

「もしもし、ユッスー! コード『ナイン・イレブン』だ! すぐに夕庚公園に来てくれ!」

真王は、ケータイに向かって叫んでいた。

最近買い替えてもらったというスマートフォンとかいうタイプの最新機種だ。


【↑を基にチャーリイが生成した文章】

 「わかった、了解した。すぐに行く!」ユッスーはその場で返事をした。

「よし、ありがとう!」

真王はケータイをしまいながら、俺たちに向かって再び話しかけた。

「俺たちは家族じゃないけど、いざという時は助け合う仲間。象三郎くんが無事だといいな」

「ああ、そうだな」俺は頷いた。

「今度こそ、一緒にバーベキューでもしようぜ」

「おう、そうしよう。でも先に今回の件を片付けないとな。俺たちは、兄さんたちが来るまで追跡するぞ」真王は熱い視線を俺たちに向けて言った。

「おう、わかった!」俺たちは頷いて、それぞれの役割に従って行動を開始した。

 俺はベルギーと一緒に、キョーちゃんを追いかけることになった。

目指すは、夕庚公園の野球場。

恐らく、あいつらはそこで待ち伏せしているはずだ。

💓❤️💜💙💛🖤🧡💚🤍🤎🩷🩶🩵 ❤️💜💙💛🖤🧡💚🤍🤎🩷🩶🩵 ❤️💜💙


 「チャーリイ!」

ピロー?

(と、チャーリイ、「何かお呼びですか?」というリアクションを見せる)

「お前、本当に『理解しないまま生成結果を返している』だろう⁉︎」

ピロッ⁉︎

(チャーリイ、「そんなことはない!」という顔をする)


 チャーリイは「やらかしを全否定する心づもり」のようですが、「完全にやらかしていることは疑う余地もない」ので、今回も容赦なくツッコんでいきます。


 『リゲイン・ホステージ』は「この展開をやってみたい」という欲求を満たすために書き始めました。

 私は宗田理氏の『ぼくら』シリーズが好きなのですが、この作品の中では度々「主人公グループのメンバーや関係者がその巻の敵対組織に誘拐される」という展開が起こります。

『ぼくら』シリーズの主な時代設定は「1990年代」と「今よりも通信やデジタルが未熟な時代」です。

 とは言え、実際にその時代に幼年期を過ごした身からすると、「中高生(時には大人)がほいほい拉致られる展開なんてそうそう起きないだろう?」と思ってしまいます。

そのため、「自分の現代劇では、安易な拉致展開はしない」と決めています。


 そうは言っても、「仲間のピンチに主人公グループが一丸となって助けに行く」という展開は「フィクション作家にとっては書いてみたい展開」の1つであることは間違いないでしょう。

というわけで、自分の創作欲求を満たすための「安易ではない拉致展開のある物語」として書き始めたのが、この『リゲイン・ホステージ』です。

 ちなみに、「リゲイン」は「奪還」、「ホステージ」は「人質」の意なので、タイトル自体で「人質奪還」というやりたいことも表してあります(笑)


 場面としては、年に一度の夕庚商店街の夏祭りの夜。

何の偶然か、主人公一行の目の前で、賢木原爽の末弟2人が何者かに連れ去られて……というところでした。


 ひとまず、「電話のやりとりを成立させた」ことは褒めてやれる部分です。

これがバーディーであれば、「電話をしているとかいないとか」みたいな意味不明な生成結果を提示して、それで吊るし上げが発生していたでしょう(苦笑)


 しかし、その次以降はツッコまざるを得ません。

まず、「俺たちは家族じゃないけど、いざという時は助け合う仲間。」という台詞は、「分かり切ったことを言った」ので「不要」です(苦笑)


 ところで、「今度こそ、一緒にバーベキューでもしようぜ」という台詞の「脈絡のなさ」がすごいのですが、なぜ「バーベキュー」……。

……もしかしなくても、「大人数で集まっているっぽい」から?


 また、「俺たちは、兄さんたちが来るまで追跡するぞ」という真王少年の台詞は「不成立」です。

 なぜなら、「兄さん」は、彼らの兄分のことではなく、「真王少年の渾名の1つ」だからです。

 

おそらく、久しぶりに「人格の切り分けをミスった」のでしょうが、「今ミスらなくて良いのに」というのが正直な感想と言えます(苦笑)


 さらに、真王少年の演説後のシーンで、「視点人物が『ベルギー』こと赤音崎光輝あかねざきこうき少年と同行している」ことになっていますが、これも間違いです。

 お題文では、クロシーこと黒島勇くろしまゆうき少年とベルギー少年にそれぞれ、「クロシーは賢木原か聖のあとを追ってくれ、ベルギーはキョーちゃんだ。」と指示が出ていますが、「あとの面々には何も指示がない」状態です。

 創作において、「コマンドの振られていないキャラを勝手に動かす」のは「ご法度行為の1つ」なので、こうした迂闊なことをしでかすのが、「生成AIの悪いところ」と言えます。


 おまけで「もう1つツッコむ」なら、「目的地は夕庚公園の野球場」ではありませんし、「キョーちゃんたちが待ち伏せ」していることもありません。

そもそも、「夕庚公園には野球場はない」設定です。

また、「待ち伏せ」は「仲間ではなく、敵対者にするもの」です。

ということは、この場合は、「待ち合わせ」の間違いだろうと推測できます。

 とは言え、「存在しない場所て待ち合わせはできない」ので、この展開は「不成立」になります(苦笑)


 最後にツッコむなら、「327字」という生成字数の少なさでしょうか。

このところ「うっすらアルジャーノンタイム」なのは知っていましたが、こうもこうも仕事をしていないと、使っているこちらが嫌になってしまいます(苦笑)


 ツッコミポイントも一掃されたので、今回はこれにてお開きとします。

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