生成結果9:「じゃなくて」

もとの文章】

 「マキちゃんの好きな人って誰?」突然ヒカルに尋ねられた。

「訊くまでもないよ、ヒカル。マキコが愛してるのは若狭わかさだ。……違うか?」とさやかまで。

「もう! 2人とも、勝手に何言ってるの‼︎ あっくんと私は幼馴染の腐れ縁! それ以上でも以下でもないの‼︎」

「ムキになっても隠し通せてないよ、マキコ。まんざらでもない、って顔してるよ、あんた」

「えっ⁉︎ ヤダ! 嘘⁉︎」

バタバタと鏡の前に駆け寄る。鏡の中には、少しはにかんだ風な笑みを浮かべる自分の姿があった。

「ん、もう! 2人とも、からかわないでよ‼︎」あたしは言った。

「んふふふ」爽とヒカルは笑っている。

「あのさ、2人とも」あたしはやり返すことにした。

「2人は誰か好きな人いるの?」

「いないよ‼︎」ヒカルが即答する。

「サヤちゃんは?」

「笑わない?」爽が尋ねた。

「てことはいるの? 誰?」

「……海津見わだつみ……」爽は呟いた。

「えっ⁉︎ ながるくん⁈ 意外!」ヒカルは素直に驚いたリアクションをした。

一方マキコは、「何で爽、流くんなの?」と冷静に訊き返した。

「……あいつ、何のかんのって言って優しいじゃん……」爽は言った。


【↑を基にチャーリイが生成した文章】

 「それが、それが……」と爽は少し言葉を探っているようだった。

「それが、それが好きなんだよね……」と最後に答えた。

「そりゃ、流くんは本当に優しいし、親切だし、素敵な人だからね」とヒカルが話を引き継いでいった。

「でも、ちょっと待って。サヤちゃんが流くんが好きだということは、サヤちゃんはマキコが好きだということってこと?」とマキコが訊いた。

「いや、違うよ。流くんは私が好きだと言ってくれたけど、サヤちゃんはまだ言ってないし、マキコのことも好きだとは言ってない」と爽が答えた。

「それじゃ、これからどうするの?」とヒカルが尋ねた。

「この三角関係、どうするの?」

「そうだな……」とマキコがうなずいた。

「これからは、ちゃんと相手のことを考えて、コミュニケーションを取ろう。そして、自分の気持ちもはっきりさせて、トラブルを避けよう」

「そうだね。それが一番大事なことだし、大人になるということだよね」とヒカルが追言した。

「それでは、また明日!」と三人で言いあい、それぞれの部屋に戻っていった。

💓❤️💜💙💛🖤🧡💚🤍🤎 ❤️💜💙💛❤️💜💙💛🖤🧡💚🤍🤎 ❤️💜💙💛❤️💜


「チャーリイ?」

ピロー?

「お前、この話の登場人物とその関係性、分かってるかい?」

ピロー……(と、チャーリイ、しばし考え込むような仕草をする)

[……ちゃーりい、分カンナイ]


 ……でしょうね。でなきゃ、こんな「『トンチキの極み』みたいな文章は生まれてこない」でしょうから。


『「じゃなくて」』は、嵐の10thアルバム『Beautiful World 』に収録されている相葉雅紀あいばまさきさんのソロ曲に着想を得て書き始めました。

 場面としては、「中学校の修学旅行の宿の4人部屋で、マキちゃんこと北川真希子きたがわまきことサヤちゃんこと賢木原さかきばら爽、ヒカルこと宮崎みやざきヒカルの3人がたわいもない話をしている」はずでしたが……。


 何かいろいろおかしなことにされました(苦笑)

 

そもそも「サヤちゃんが流くんが好きだということは、サヤちゃんはマキコが好きだということ?」は論理が成り立ってませんね。

「AさんがBさんを好きであるならば、AさんはCさんを好きである」が通用するのであれば、「この世は複数愛者ポリアモリストが正常である」となりますが、現実そんなことはありません(苦笑)


 ついでに言えば、キャラクターの設定まで改変されてしまいました。

 これはあれですね。「キャラクターの同一性保持」の話でグレーになってくるような気がします。


「キャラクターの同一性保持」とは、2次創作(特にBLがかかった場合)などの揉め事でたまに聞く、「こいつとこいつで釡の掘り合いをするな!」的な話で話題に上がるので、知っている方もいらっしゃるかもしれませんね。


 なぜ2次創作の揉め事話で「キャラクターの同一性の保持」が取り上げられがちなのかと言うと、「キャラクターの同一性が崩れる」ことで、「作品に対して間違った理解」を生成してしまう可能性があるからです。


 例えば、原典となる1次創作では「真面目で正統派」とされているキャラクターが、2次創作とは言え、「何の躊躇ためらいもなくスカートめくりをする」ような設定になっていた場合、「原典となる1次創作を知っている読み手」は「2次創作とは言え、このキャラに何てことさせてんだ!」と冷静にツッコめるでしょう。

 

 しかし、「1次創作での本来のキャラクター性を知らない読み手」が「あらぬほうに改変された2次創作」を見てしまった場合、「このキャラ、こんなやつなんだ……。この作品見ないでおこう……」と遠慮してしまい、せっかくの「これからファンになってくれるはずの層を取り込み損ねてしまう」恐れがあるんです。


 そのため、一般的には、「1次創作あってこその2次創作」なので、「(2次創作を)する場合は、1次創作での設定は尊重する」ことが「暗黙の了解」となっていると言えるでしょう。


 ところが、AIにはこうした思いやりは「皆無」のようでした。

 遠慮なく「ダメな改変」をやってくれちゃいました。


 まず、「賢木原爽はバイセクシュアル」ではありません!


 補足をすると、この話でガールズトークを繰り広げようとしている女子3人は、「全員シスジェンダー女性」で、「のちのち結婚して」います。

 賢木原爽は、海津見流と結婚し、3人の子宝に恵まれます。

 北川真希子は、黒島勇くろしまゆうきと結婚し、一粒種の息子に恵まれます。

 宮崎ヒカルは、橙川知稀とがわかずきと結婚し、二卵性双生児(共に女児)の母となります。

 つまり、誰も「ジェンダーアイデンティティで悩む人物はいない」わけです。


 また、「『流くんは私が好きだと言ってくれたけど、サヤちゃんはまだ言ってないし、マキコのことも好きだとは言ってない』と爽が答えた。

『それじゃ、これからどうするの?』とヒカルが尋ねた。『この三角関係、どうするの?』」もヒドいと言えます。


 まず、爽の一人称が揃っていません。

「私」と「サヤちゃん」って……。

彼女の一人称は「あたし」なので、そもそも「完全に間違っている」わけですが……。

 そこを一旦脇に置くにしても、女子中学生の一人称が「自分の愛称」では、「ただの痛いぶりっ子女」にしかなりません。


 おそらく原因は、「チャーリイには『人格の切り分け』ができない」ことにあるのでしょう。

 要は「A」=「Aさん」という認識ができず、「『A』と『Aさん』は別人物」みたいな認識になってしまっているのかもしれません。


 それにしても、「勝手に『ありもしない三角関係』を構築する改変」はないです。

 これが「人間の2次創作者がやった」のであれば、私も作者として「そういうことをするな!」と明確に注意できますが、AI相手ではどうにもできません(苦笑)


 それから、「とヒカルが追言した。」の「追言」って、何ですか?

そんな日本語、存在しないんですけど?


「チャーリイ?」

ピロッ…… (と、チャーリイ、ドギマギした素振りを見せる)

「文学部卒の人間をたばかっておいでかい?」

ピッ、ピロー…… (と、チャーリイ、露骨に視線を外す)


 チャーリイが、知らぬ顔の半兵衛はんべえをしてやり過ごそうとムダな足掻あがきをしていますが、おそらく「『付け加えた』や『言い添えた』的なことを言いたかったのだが、日本語がつたなかった」という解釈にしておいてあげましょう。


 とは言え、「それぞれの部屋に戻っていった。」はないでしょう。

 お題の文章では「書かれていません」でしたが、彼女たちは「その部屋にいるしかない」状態にあるのです。

 おそらく「談話室かどこかで話をしている」みたいな「ハリー・ポッター的なイメージ」で解釈されてしまったのかもしれません。

 やはり、チャーリイは「アメリカ人」なのかもしれません(苦笑)

 

 ……散々ダメ出して来ましたが、冷静に考えると、「439字」はこれまでの最高到達字数なのでは⁇


「チャーリイ」

ピロー…… (と、チャーリイ、こちらの様子を伺うような仕草を見せる)

「何のかんの怒ったけど、実は結果は出してたのね」

ピロッ! (と、チャーリイ、少し得意気なリアクションをして見せる)


チャーリイが、「中身が間違ってるくせにドヤ顔してきてる」という事実が若干腹立たしいですが、私もツッコミ疲れたので、今回はこれにてお開きとしたいと思います。

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