第3話 冒険者ギルド

ダンジョンマスター指示により、地形を都合良く変えられた西之島。

北側に港湾都市が築かれ、それ以外の場所は断崖絶壁と海流を弄ったかの様な激流になっている。

その、唯一の玄関口に、日本人が上陸したと、住民から知らせが入った・・・


***


Side ダンジョンマスター


「やっぱり来ましたね」


確信はあった、けれど絶対ではない・・・

だから、これは賭けだった。

特別な力を与え、自信の能力を数値化することにより、たとえダンジョンに来なくとも、利点はある事を示し、最低限ダンジョンが存在する事に、価値を与える事が出来た。


「ふむ。ではそう仕上げだ!千歳、後は任せた」

「はい!お嬢様」


これで、やつらがダンジョンを攻略して財宝を日本に持帰りさえすれば良いのだ・・・

そうすれば、世界は嫌でもダンジョンを認めざるを得ない状況になる。

そして、ようやく私の夢に・・・


***


Side 一般人


俺たちが連れて来られたのは、港湾都市の中央にそびえ立つ建造物

ではなく、港からさほど離れていない三階建ての建物。


「ここだ、あとは中の人の指示に従うように」

「ああ、ここまでありかどう」

「・・・・・」

「ふぅ~、さてと、鬼が出るか蛇が出るか・・・」


俺は、一緒に来た友人と顔を見合せて、気合いを入れて・・・

ドアを開けた。


<ちりりん>

「冒険者ギルドへ、ようこそ!」


小気味良い、ベルの音が室内に響き渡る。

真新しい樹の匂いと若干の酒の匂いがする。

それもそのはず、ギルドには受付カウンターに隣接する様に酒場が作られてる。

カウンターは5つあるが、今日は1つしか空いていない。

それもそのはず、利用者は俺達2人だけなのだ・・・


「あ~、どうしたらいい?ここに連れて来てくれた人に、中の人の指示に従うようにって言われてきたんだが・・・」

「そうですか!では、ギルド登録をお願いします」


そう言って、受付嬢はカウンター下から、2枚のカードを取り出して俺達の前に置いた。


「これはギルドカード。これに触れて下されば、自動的に登録されます」


「わかりました」


「尚、紛失された場合は、1度目は罰金、2度目資格停止3ヶ月、3度目はギルドカード剥奪ですので、気を付けて下さいね」


俺達は、カウンターの上に置かれた、ギルドカードに触れると、<ピカッ>と光、直ぐにおさまった。

手にとっても見てみると、氏名、職業、ギルドランクが、書かれている。


「あの~、ごの、ギルドランクってのは?」

「ギルドランクは、入れるダンジョンを現しています、今のお客様ですと、Gランクなのでチュートリアルダンジョンにしか入れません」

「ふ~ん。じゃあランクを上げるには、どうすれば?」

「ダンジョンを攻略する事それだけです」


そのあと、武器や防具の事も聞いたが、それはチュートリアルダンジョンで貰えるそうだ


「あと、最後にここ、港湾都市にあるダンジョンでは死ぬ事は決してありません!ですので、ガンガン、ダンジョンを、攻略して下さいね」


そう、受付嬢はこちらにお辞儀をした。

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