Ep.3
心臓の代わりとなった懐中時計の中にいる女神。彼女はこの異世界で名誉を手に入れろと俺に告げた。異世界転生を
さっきのヤブ医者の手術の後に味わった
「わかった。要するにクエストを
胸の中からチクタクチクタクという秒針の音がする。その音はモンスターに
女神は「フーン」と
「クエ‥スト?クリア‥何を言っているのだね君は。まずは貴様が名乗るが良い。私の名前はその後だ。私が元々何者だったのかはどうであれ、それが
クエストもクリアという
まずはニックネームの設定。アバターの名前を決める感じなんだな。俺の名前は豊田エニシ。心臓病で死んだ高校生。どうするべきだろう、どうせ異世界で暮らしていくのであれば全く違う名前でもいいかな。
そう頭の中で考えた
「トヨタァエニシィ。それがお前の名前か。コウコウセイだとか異世界というのが何かはわからぬが、お前はあれか。時空からこぼれ落ちた外来人の
いたずらに笑う女神は心の中が読める。そもそも俺が聞いているアリスの声は周りの人間には聞こえていないのかもしれない。手術室を見渡すと奥の壁には
天井の方は少し変わっていて隅の方にそれぞれ四つのアンティークのランプがある、中心にライトがないのは
現実のようで全くそうではないタイトルの本があるな。頭が
「私の名前は、アリスだ!よろしくエニシィ」
懐中時計の中に
「よろしくアリス」
俺の心を読んだアリスはけたたましい声で話し始めた。
「不思議の国のアリス!なんだそれは私を馬鹿にしているのか。私はドンキフォート大陸の西の端にあるスペードセブン王国で育った王女なのだ。
なるほどな。時計を持ったウサギに何かされたのか。
エニシは手術台を降りて鏡を探すことにした。あの外科医のジイさんに痛み止めはいらないと言わなければいけない。そしてまずは世界に適応しなければならない。この世界で死んだら次はないのだ。
「なぜそれを知っている!だが違うぞ。今お前がいる『ドンキフォート・セントラル・カジノシティ』にいるウサギ男には用があるがな。王族の
大体そんな話だったな。その後小さくなったアリスは不思議な世界を冒険する。ここはドンキフォート大陸の中心地にあるカジノタウンか。カジノのある街に冬があるのだろうか。
アリスは西の国の王女で今は行方不明なのかな。それっていつの話だろう。百年前とかなのであれば彼女の呪いを解いて元の生活に戻すことは不可能だ。
アリスはフゴフゴと鼻を鳴らして
「お、おい。お前は占いでもできるのか?頭の回転がやけに早いな。確かに私の呪いは解けることはない。だがお前が大きな
「なるほどね、なるべく努力するよ」
エニシィは手術室の扉の前にたった。厚みのある丸いドアノブを回してもカギがかかっていて進めなかった。まだ髭モジャ医者の足音は聞こえない。手術室の窓には赤色のカーテンがかかっている。まずは外の世界でも
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