番外編 名探偵ミケ

番外編 第二の猫生 街探索①

まえがき


番外編を待っていた方お待たせしました!ミケがまだ公爵家で生きていた頃のお話ですよ。

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 今日は私は週に1回の街散歩にきている。


「ミケちゃんおはよう」


「おや、公爵様のところの...。」


 私は公爵領の南を歩いていて、今は夕食の1時間前くらいで人々が多く行き交い大変賑わっている。そろそろ商店に夕食の材料を買いに来ているんだと思う。


 公爵領は四方で大まかな役割が分かれている。

 東は冒険者ギルドや武器屋、宿屋、酒場が多い。西は大図書館や学校があって民家が多い。南は商店街のようになっていて主婦や他の町から仕入れに来た行商人などとても賑わっている。北は兵士の訓練場やスラムがある。

 そして中央に私が住んでいる公爵様のお屋敷がある。


「あらーミケちゃんじゃないー」


 この人は肉屋のおばさん。顔は怖いけどいつも私におやつをくれるいい人で旦那さんが裏手でお肉をいつも切っていて表でおばさんがお店番をしている。


「今日の夕飯に出そうと思っていたものなんだけど食べるかしら、もちろん、うちの旦那には内緒よ?」


 そう言って明らかにお酒のつまみのようなジャーキーをくれた。

 うーん。薄味だね。多分まだお酒のつまみに加工する前のジャーキーかな。それでもちゃんと血抜きされて干されたものを使っているのかとても美味しい。


 そもそも猫って塩分が多いものはあんまり食べちゃいけないんだっけ。前世の知識だからだいぶうる覚えだけど確かそうだったようね。一応私のために今日のやつじゃなくて明日のやつくれたのかな。


 食べ終えておばさんにお辞儀をするとその場を去って再び歩き出す。今の私は美味しいジャーキーをもらったおかげもあってとても上機嫌で軽くステップまで踏んでいる。



「おや、ミケじゃないか。ちょっと来て見てもらえるかのぅ。」


 この人は薬屋のおばあちゃんでいつもお魚の代わりに私が薬草の匂いを嗅いで一番状態のいいものを見てあげているの。でも多分おばあちゃんは素直じゃないから、私に何かあげて可愛がりたいだけだと思う。


 お魚くれた時にいつも撫でてくれるしその時の顔が幸せそうな顔をしているから多分間違いない。


 それに何よりもおばあちゃんは今までこの公爵領でずっと薬屋をやってきたんだし薬草の良し悪しなんて一目でわかるだろうからね。


 まぁ、私もお魚もらえるしおばあちゃんに撫でてもらうのも気持ちがいいので別に断る必要はないんだよね。


 撫でてもらうのが好きなだけで別に私が食いしん坊っていうわけじゃない。そう、決してデブ猫じゃない..。私が言っているんだからそうなんだよ。


「ありがとうね。またおいで」


 おばあちゃんに見送られると次に街のおばさんたちが新しくできたと噂していた商店に行くにする。



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あとがき


作者「ねぇ、匂いで薬草嗅ぎ分けるのって普通犬じゃない?」

ミケ「多少劣るだけで人間の何十万倍も鼻がいいわよ。ところで最近太ったんじゃない?」

作者「ソンナコトナイヨ。き、気のせいじゃないのかな。」

ミケ「....チョコレート......」



作者「ごめんなさい...。」


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