第13話

 今回は流石に危なかった。掠らずに正面で大剣の攻撃を受けていたら私は吹き飛ばされるだけでは済まなかったかもしれない。


 やっぱりあの剣でも私の体に攻撃を当てられるんだ。それに私が練り出した火の魔力は小さな火弾となってナイトに掠ったけど今ひとつだった。


 身体から火の魔力を練り出して放つことはできそうだけど、すきだらけだしナイトに致命傷を与えられないから牽制程度にしか使えない。ゆっくりとドレインタッチで生命力を奪っていくしかないかな。


 何かないのかな。このままだったらジリ貧だ。

 私の方があの剣で削り倒されちゃうよ。


 試しに新しい仮説をたてみる。


 魔力を巡らせててわかったことがある。魔力は必ず使う時に身体から外に出る。つまり、あいつの剣が魔力で覆われているならアイツが『手』を離せば魔力の流れが止まるんじゃないのかな。今のところ私にとってあいつの1番の脅威は大剣だしね。


 私は必死に剣を打ち出し、回収してを繰り返しす。ここで使い潰すつもりで用意してきた今までのスケルトンナイトの剣をあいつの手に向けて連射し続ける。

 しかし長くは持たずに直ぐガタが来て以前の階層から持ってきていた4本の剣のうち2本が大破してしまう。私は構わずに打ち続けた。


落としたッ!!


 即座にサイコキネシスで制御を奪ってこちらに引き寄せる。

 やっぱり私の仮説は正しかった!私は無事に大剣を奪うことができた。

 他の剣はほぼもうダメになっちゃったけど、この大剣ならあいつを吹き飛ばすことができる!


 狙撃で大剣を発射させる。大盾では怯むのかと思ったのかスレスレのところで避ける。


予想通り!賢いから大剣を打ち出せば避けてくれると思った!


 ナイトの横を通り過ぎた大剣をサイコキネシスで方向転換させると、再び圧縮された空気の爆発力で大剣をナイトめがけて吹き飛ばす。

 しかし、その攻撃すらもナイトは上半身を異常に捻って大盾で弾いた。衝撃からか大きく体制を崩すがその程度だった。


あれ?


 大剣を使っても体勢を崩す程度だったことにも驚きだけど、私はここに入ってからのナイトの動きを覚える。

 今までのナイトは動きは機敏な時はあったけど、こんなに回って反撃してこなかった。本当だったら関節が引っかかってあんなに素早く上半身だけで後ろに反撃できないはず。

 人間じゃないと言ってもスケルトン、要するに骨の塊のはずなに。


そう、そうよ。なら、あいつはスケルトンじゃない…?


 ってきり、魔力で体を覆っているから魔法の効きが悪いのかと思っていたけど。

 もし、あいつがスケルトンじゃなくて、鎧を魔力で構成して動かしているリビングアーマーなら鎧には打撃も魔力の攻撃も通用する。


そうだ。つまり霊体の私の体でも触れるんだよ!


 私は自分自身にサイコキネシスをかけてナイトの方に弾き吹き飛ばす。


 ナイトは大盾で防ごうとするけど、大盾も私の体の大きさならギリギリ避けれる!


これで倒れろぉぉおぉぉぉぉお!!!!!!

 私はありったけの魔力を全て右足に込めて『猫パンチ』を炸裂させた。


 リビングアーマーの鎧の腹の部分は砕け散り、魔石が剥き出しになる。


 私は急接近すると魔石に向かってドレインタッチを発動してリビングアーマーを倒し切った。


『ネームドモンスターを討伐しました。』


 ふぅ。私の強さを思い知ったか!

 リビングアーマーがいた場所には宝箱とやつの大剣が置かれていた。


========

あとがき


作者「いけ!そこだ!頑張れ!」

ミケ「(私を応援してくれてたなんて嬉しい)」

作者「よし!ゲームクリア!!」


ミケ「猫パンチ!!」

作者「グハッァ...。痛い...」

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