第11話
仁王立ちをしていたスケルトンナイトはひとりでに私に話しかけてくる。
『低位の死霊だからと我のダンジョンを徘徊していても無視しておったが、我の元に辿りつくとは貴様なかなかだのう。しかし!貴様はここで死ぬ。主にここを知るものは滅せよと命じられているのでな。我はシュバルツ、冥土の土産に我の名を覚えていくとよい』
えぇぇ!!スケルトンなのに話せるんかい!!!
あなた口ないでしょ……。どこから言葉発してるんだろう。
それはともかく、スケルトンナイトは口上が終わると大剣を構えた。
看破を取得したお陰かさっきよりも剣に通っている魔力が見やすくなっている。多分魔力で剣を強化しているんだろう。
私からしたら迷惑千万な話、今までだって魔法の攻撃は私に聞いてきたんだし、魔力で強化された大剣の攻撃だって私に通用するって考えておいた方がいいかもね。
大剣だけどあいつの機敏な動きで剣を振るわれたら、避けるだけで精一杯になりそうだ。
でもまぁ、きっと当たらなければなんとかなるでしょう。それに漆黒の大盾は大きい分、重くて動きの邪魔になるはず。
私はひとまず試しに剣を一本打ち出す。スケルトンナイトは大きく一歩踏み出すと、大剣を横に薙いで飛来した剣を弾く。
やっぱり防がれちゃうか。さっきの階層のスケルトンも盾で防いできてたし予想はしていた。
しかし.........。
ナイトさん剣を振るう速度速すぎませんかね?!!私が予想してたのはもっとゆっくりだったのに。
日本にいた時に見たプロ選手の野球ボール並みの速さで、私の体の4倍以上ある大剣に弾かれたんだけど。あんなの当たったら私なんてすぐさま死んじゃうよ。
まぁ、でも助かっているのはあくまでも格下と思ってこちらを舐めているのか、あまり向こうから攻撃をしてこない。
さっきのはスケルトンナイトの反応速度を知りたくて打ち出したお試しで撃った。
私はもう一度、スケルトンナイトに向かって剣を射出する。また防がれるだろうけど、今回は牽制だから問題ない。
アイツは再び大剣で弾くために大剣を構えるが、私は振り下ろした瞬間にアイツの足元に圧縮した空気弾を発生させて爆発させた。
アイツは予想していなかったのか片足を空気に弾かれたことで後ろにコケる。
私はその隙を見逃さずに急接近してドレインタッチを発動する。しかし、鎧に流れる魔力が抵抗しているのかあまり量は奪えない。
ちょこちょこドレインタッチで体力を吸っていくしかないのかな。このまま攻撃されては危ないので一度飛び退く。
幸い、今までは負傷しなかったり、ダメージを受けても進化で回復したりしてたから気づかなかったけど、ドレインタッチには敵の生命力と魔力を奪って自分の力にする時に回復する効果があるみたい。
おかげでさっきの階層でスケルトンメイジから受けていた怪我は消え去った。HPはMAX、気兼ねなく戦える!
スケルトンナイトは残念なことに直ぐに体勢を立て直してしまった。
私は間髪入れずに剣を打ち出し大剣を振るうタイミングを狙って足元に空気弾を作り体制を崩させようとするが、既に学習したのか。大きく後ろに飛び去る。
やっぱりそんなうまいこといかないよね。この調子で学習されてったら私がどんなに頑張って対策を練っても通用しなくなって万策尽きそう。
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