第3話 エロいヒーローVS女の子「…まずい。 過保護すぎな俺ら新卒は、高齢者レベル。 小学生の女の子に、フツーに負ける」(←お前が言うな)

 俺、ザエボスよ!

 皆のヒーローに、なってやれ!

 「…え、なに?やめてよ!」

 道をいく女の子に、アタック!

 ぺちょ。

 「いやあ!」

 まごつく、女の子。当然だ。俺が今、なめていたアメを、その子の身体にくっつけてあげたんだからな!

 「ちょ…やあだあ!」

 何とかして、その汚れを取ろうと、努力する女の子。

 「…さあ、弱い立場になれ!俺が、ヒーローとなって、貴様を助けてやる!」

 またまた、その子の服に、アメをつけてやろうと考えた。

 ククク…。

 「このよごれ、おちて!あ、そうだ!」

 泣かされても、はい上がって努力しようとする女の子。俺たちがつぶした、シューショクヒョーガキ世代っていう奴らのことを、思い出すぜ。

 「やーん!」

 女の子が、すぐ近くにあった公園にまで、かけていった。

 「…そうきたか!」

 その子は、公園の水飲み場で、身体を洗おうと考えたようだ。

 「…こ、これが、努力というものか!」

 もう、迷わない!

 女の子を、追いかけてみた。

 「待てー!俺は、日本最強クラスの新卒だぞ?ヒーローに、なるんだあ!」

 「やーん!」

 「待てー!」

 女の子の足は、想像以上に、早かった。

 運動能力が高齢者レベルな俺たちの世代には、小学生くらいの女の子を追うのって、リアルすぎにハードな鬼ごっこ。

 「…ねえ、どうして?どうしてあなたは、こんなことをするの?」

 「決まっているじゃないか!」

 俺の言葉に、迷いはなかった。

 「本物のヒーローに、なりたいからだ!」

 その子が、転んだ。

 「…ひひひ。つかまえたぞ!」

 泣きじゃくる、女の子。転んだことのない俺らの世代には、理解できない。

 「間違いない!今、この子は、泣かされてもはい上がって弱い立場になっている!今こそ、ファフニールで、切ってやれ!俺って、ヒーローじゃね?」

 俺は、腰に下げたファフニールに、手を置いた。

 と、突然!

 その子が、素手で、反撃してきた。

 俺、どうする?

 過保護に生きすぎた新卒世代の体力は、高齢者レベル。

 小学生の女の子に、フツーに負けます。

 「リアムの、おしおきだよ?」

 え、ウソだろ…?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る