第2話 エロいヒーローになるために、ザエボスは考えた。「弱い立場の人を、増やせ!俺のほうから、この剣のターゲットを作ってやれ!」…やばくね?

 俺、ザエボスのエッチなヒーロー伝説が、続く!

 こんな、意味のわからん生活じゃあ、俺がヒーローになってやるしかないだろう。

 「日本中の友達を、救え!」

 うん、そうだな。

 そこで、友だち大好きな俺は、新しい友達を手に入れることにした!

 「ファフニール」

 剣だぞ。格好の良い名前の友達、だろう?

 部屋の臭いとかをきれいにする薬の名前とかじゃあないぜ?たまに、間違えられる。

 「俺、ファフニールを持っています!」

  SNSで飛ばしたら、薬局とかが、問い合わせてきた。たぶん、何かと間違えている。

 俺のファフニールは、元々は、ドラゴン級のかたいウロコも切り刻む鋭さをもつっていうんで、注目されてきた剣だ。

 たしかに、これまでは、ドラゴンを相手にしたときに使われることの多い剣だった。

 それが、今!

 ファフニールには、新しい使い方が、注目されてきた!

 「ねえ、知ってる?ファフニールって、弱い立場の人たちを切り刻むのに、ふさわしい剣なんだってさ」

 「…ま?」

 「あたし、切られちゃうんじゃないの?」

 「ウッソー!」

 女子高生どもが、はしゃぎだした。

 ククク…。

 バカな、女子高生どもが!

 ファフニールを、甘く、考えるなよ?

 まずは、ファフニールの活躍の場を、作ってやらなくっちゃならん。

 そうそう。

 「ファフニールは、弱い立場の人たちを切り刻むのに、ふさわしい剣」

 女子高生は、そう言っていたよな。

 それって、ある意味では正しい。

 「さあ、俺よ!ヒーローになるんだ!」

 そこで、俺は考えた!

 「努力をする、弱い立場の人たちを、増やしてやれ!俺のほうから、この剣のターゲットを作ってやれば良い!」

 このアイデア、すごくね?

 今日の昼すぎ。

 家の近所で、小学生くらいの年格好に見える女の子に、出会った。

 「ねえ、君?困っていることは、ない?」

 「…べつに」

 言われて、腹が立ってきた。こんな生活、もう、いやだ。

 「俺は、ヒーローになるんだ!」

 そう思うほどに、この子の態度に、黙っているわけにいかなかった。

 泣くな、俺!

 エンディングまで、泣くんじゃない。


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