第13話 特別編 ひな祭りはひなあられ食う日だろ!!前編
ー シユ君の過去回想 3月3日 ひな祭り 放課後 保健室 ー
この学園は全寮制だから食事ぐらいしか娯楽がない。
無論町に出れば別なのだが20分も歩く羽目になる。
空の敵を迎撃する対空砲列車も1時間に1度しか通らない辺境の地。
購買部も存在するが約1000人いる生徒達全ての欲求に耐えること叶わず。
そこで学食には定期的にお菓子や
「リーダー今日も平和ですねー」合成ひなあられボリボリ
「3年生が卒業したからな。
4月までは気を遣う人間が減って楽になるな」合成ひなあられボリボリ
「うふふ♡」合成ひなあられサクサク
保健室メンバーも無事進級できたし教師としての充実感を感じてたりしてな。
ほんと平和だな~と思いながらお茶をすする。
いつものドタバタもいいが、まったりとした時間も
「たのもー!隣の倉庫で赤い着物見つけました!!
ひな祭りしましょう!!」扉ガラァ
「ゴホッ!!ひなあられが詰まった!!」ぐえー
「り、リーダーお茶!!」あせあせ
「うふふ」背中さすさす
あれ?この展開水泳部襲来の時と同じ。平和が壊されるやつだ!!
「し、シユ君!!部室の中勝手に漁っちゃダメだって!
碌なことなかっただろう?」
「いえ!机の上に置かれていたんです!!手紙付きで!!」手紙スッ
”やっほー!突然だけど物には魂が宿るんだ。
オカルトかと思うけれど君たちは人の思いってやつに振り回されたはずだよね?
ちょうど夏休みの合宿の時だっけ?ニシシ。
という訳でこの子を着てあげなよ、手入れはしてあるから。
今回は君達に危害を加えたいとかそういった目的じゃないし (笑)
篝火”
「まだ懲りてないのかよ!!
「リーダー君
箒と篝って字が似てるからなー。
「とにかくこれってひな祭り用ですよね?ので!シユが着ます!!」
「いいけど着方分かるのかい?」
「今から調べます!!yurihooooooooooooooooooで!!」スッ
「「「か、かっこいい!!」」」目キラキラ
シユ君の携帯はオレンジ色で上下スライドする最新型だ。
画面が上に来て下がボタン。
コンパクトに仕舞えるのが利点だが如何せんカッコいいからな。
因みにyurihooことユリフーはインターネット検索エンジン大手企業だったか。
ー 20分後 グランドの片隅 ー
「着物って意外と重いんですね」ぜえぜえ
「あははは!これ結構いいものだぞ?本来なら展示会レベルの代物だ」
「そんなんシユって子に着せて大丈夫かよ!!!」
「大丈夫です!!先生!!写真撮りましょう!!!」
「どうせなら階段で撮ろうか。それっぽさって大事だろう?」
「いいですね!!」
また変なことしてると様子を見ている野次馬集団に携帯を渡すシユ君。
君達いっつつつつも部活サボってるな。
着物なシユ君と私のツーショット。
どうせなら私も白衣じゃなくて、それっぽい衣装着たかったな。
「写真も撮れましたし主役交代です!!さぁ胃袋空腹連合ちゃん達も!」
「はぁ?俺が着ても似合わねえっての!!」
「リーダーの着物姿ぁ♡」よだれダバー
「うふふ♡」鼻血ダバー
あっ、これリーダー君着る流れだ。側近君と当て字君がアイコンタクトしてるし。
「リーダー!ジャンケンで決めましょう!サムライらしく!!」はぁはぁ♡
「うふふ♡」腕ポキポキ
「断る選択肢ないじゃん!!当て字こえええええええ」
すまないなリーダー君。逆らったら私もやられそうだし。
「「じゃあああんけえん!!!」」きえええええ
「こわッ!!気迫こわ!!!」
「「ぽおおおおおおおおおん」」ぐー
「クソっ!負けた!!」ちょきー
「「うふふふ♡」」
「ちょっ!ほら3回勝負!!待てって!助けてくれセンコー!!」
着替えの為にどこかへ
骨だけは拾ってやるさ、あははははは!!
ー 10分後 ー
「あははは!なかなか似合ってるじゃないか!!」
「恥ずかしくて死にてー」げんなり
「そんなことありませんよ!!ほら胃袋空腹連合ちゃん達で写メを!!」
左右にリーダー君と側近君。1段上がって当て字君がにんまりしている。
こういうのって着物着てるリーダー君が頂上なはずだが怖いのでスルー。
側近君も楽しそうだしな。
「あー!!!もう嫌だ!!!はずい!!!何だよひな祭りって!!
ひなあられ食べる日でいいだろ!!!コスプレの日じゃねえって!!」
「どうせならインスタントカメラを持ってきた方がよかったですね♡
ほらリーダー可愛いでしょ?」
「さらっと待ち受けにしてんじゃねーぞ!!そっき・・・・ん?
なんかもう1人いる!!当て字の横に!!!」
もしかして心霊写真?そう思って各自の写メを見ても違和感がない。
「怖いって!!センコーちょっと今日早退するわ!!
今から神社行ってお祓いしてくるから!!」
「待ってください!!囲碁部に霊感強い人いますから!!!」
「ひっ!!頭脳戦の囲碁は勘弁!!」ぬっ
「「「「なんか出たあああああああああああああああああああ」」」」
リーダー君の背後から”ぬっ”と現れた黒髪女性。
ちょうどリーダー君と同じ赤系統の着物を纏い空を飛んでいる。
うん、幽霊だな。あはははははは!!
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