第8話 リーダーのイチバンであるために その3



 先生 「前回のあらすじは!!側近君の恋を見抜いたぞ!」

 側近 「リーダーREADERりーだーleader!!」



 「ルールってのは何かしらの原因がある。

 ちょうど野次馬含めた50人ぐらいでランニングした時があっただろ?」

 「たしか近隣住民のクレームが凄かったって」

 「ほぼ片側の道路塞いでたからな。

 ルール無用でランニングした結果新たなルールで縛られる。

 ちゃんと物事には因果と結果があるってこと」


 「でもそれってこの話と関係ないんじゃ?」

 「例え話だ。ではなぜ結婚は同姓で出来ないか考えたことはあるかい?」

 「ええと、子供が作れないから?」

 「それは養子縁組で何とかなる。もっと単純な理由だ」

 

 単純?倫理観とか?


 「ギブアップと見ていいかい?答えはお金だ。

 現在結婚している家庭は税金が少し免除されている。

 結婚したら子供作るだろ?みたいな希望的観測でな」

 「じゃあ子供作らなかったら?」

 「税金免除の恩恵をフルパワーで受けることができる。

 だから同姓の結婚を認めていない」

 「制度が間違ってるんじゃ?」

 「悪法もまた法だ。改定されないということは黙認しているんだ。

 それに結婚すれば両親の遺産も手にする権利を得れるからな。

 結婚詐欺も考えられる」

 「単純な話じゃないんだね」

 「そういう事。偉い人は多分お金の話はごまかして

 倫理観がどうとかいうはずさ」

 

 この先生はちゃんと論理を持っている。

 その辺の感情任せな自称大人モンスターとは違うかな。


 「まっ制度が認めない以上君とリーダー君の恋は実らない

 ・・・・法律の穴をつけば別だがな」にぃ

 「うわぁ、めっちゃ悪い顔」引き気味

 「税金で優遇されないだけで一緒に住む方法はある。

 ルームシェア可の物件を借りればいいだけだ」

 「普通のアパートじゃダメなの?」

 「一般的に家族とか恋人じゃないと断られるケースが多いからな。

 大家と交渉すれば話は別だが手間だし」

 「妙に詳しい。まさか子供を攫って夜のご奉仕を!!!」

 「させてないからな!!!!これでも部下は多いほうなのでな。

 色々と相談に乗る機会が多いんだ」

 「ちっ。現行犯逮捕のがしたよ」

 「いま舌打ちしたよね、そんな嫌われてるかなー。

 同性って言うのはハードルが多い。

 それでも進むなら止めはしない。

 けれど相手はリーダー君。強くなければ認めてもらえないだろうな」

 「わっちは確かに弱いけれど!リーダーを思う気もちは!!!」



 「気持ちだけじゃダメなんだ。

 今は学生だからまだ友情の延長で見れる。

 大人になったら周囲から怪しいと勘繰られる」

 「そんな事!!」


 「ではダメな大人を紹介しよう。

 権力を持った学園長とこびを売る教頭。

 大人になったらこんなふうに見られる。

 今の君たちの関係に似ているな」にっこり

 「うわぁ。認めたくない」

 「だろ?リーダーの隣に立つならば

 間違った意見が出た場合対立をすること。

 それが真の側近だと私は考える」

 「・・・・じゃあわっちがあの時先生に立ち向かうのが正解?」

 「だな。それはリーダー君への対処法であって上司には使うなよ?

 教頭のようにゴマすって、

 へいこら頭を下げて楽な仕事を回してもらって戦果を出すのが出世の近道だ」

 「なんか大人ってズルい」

 「本音と建て前ってやつだ。

 いい嘘と悪い嘘を組み合わせるのがこの社会を生き抜くコツさ」


 なんか大人って束縛が多いな。



 「じゃ、リーダー君に挑戦状でも叩きつけに行きますか!!!

 多分待ってるだろうし」

 「話の持ってき方が強引!!」

 「???

 思いをぶつけるもよし。嫌われるもよし。

 学生である以上人生のリカバリーができるしな」

 「・・・・」

 「恋人以上になるなら彼女を納得させればいい。

 金を積めば簡単だが君はその手を打つ資産は持っていない。

 ならば戦って権利を勝ち取るぐらいしかな」

 「法律の網をくぐって?」

 「そういうことだ。大人の作ったルールに従うふりして

 裏では好き勝手やればいい。君たちは不良なんだからな。あはははは」


 この人は教師失格だ。けれど人間としては・・・変態なので失格。


 「分かったよ。今のわっちの精一杯をぶつける。

 勝敗も大事だけどそれ以上にこの胸の高鳴りが抑えられないから」

 

 靴を履きリーダーの待つ保健室へ。

 途中先生も靴の紐が気に入らずにしゃがんでいた。

 暗い中怪我されても困るしね。



 ー 保健室 19時45分 ー


 「お?帰ってきたか、あのセンコーからひどい目受けてなかったか?」

 

 リーダー達は明日の予習をしていたよう。

 シユ部長はとっくに寮に戻っているとか。



 「リーダー!今からわっちと試合してください!お願いします!!」ぺこり

 「今からぁ!こんな暗い中でやっても意味ないと思うが?」

 「どうしても今からじゃないとダメなんです!

 そしてわっちが勝ったら付き合ってください!!!」

 「はああああああああああああああああああああああ!

 あの変態に何を吹き込まれた!言え、言わぬとコレだぞよ!」木刀突き付けー

 「リーダーさんは女性の服を乱暴に脱がす本を見て興奮してるの♡」

 「言い方ぁ!現国の”羅〇門”はそんな興奮する要素ないだろ!!」


 当て字副部長とリーダーが争っているがわっちの決意はぶれない。


 「わっちはリーダーを支えることが正義だと思ってた。

 けどこれからは共に歩んでいきたい。

 ライバルとして、友としてね」

 「売られたケンカは買わないとな。

 だが実力なんて一長一短で埋まるもんじゃない。

 真の強者ならば俺の体にその名を刻んで見せろ!!」

 「つまり心の婚姻届けに名前書いてくれって告白ですね?うふふふ♡」

 「はぁああああ。なんでそうなる!」

 「り、リーダーが高血圧で倒れる前にやりましょう」引き気味



 ー グランドの片隅 19時50分 ー


 決戦の地に向かうと巨大なライトが出迎えていた。

 野球部のやつを借りて来たそう。

 当然こんな時間なんで全部活が後片付けを開始している。

 残ってるのは自主練の生徒ぐらい。


 「よくリーダー君を引っ張り出せたな側近君。あはははは」

 「先生明日破れて捨てようとしてたストッキング持ってきます」

 「まだ君は何も達成していない。今この瞬間だけに集中したまえ」

 「そうですね。ふぅ。

 リーダー!!!勝負はスポーツチャンバラ1本先取で」

 「異論はない!っしゃ!!行くぞ!!」



 ー グランドの片隅 20時20分 ー


 景気よくスパーンと打撃音が鳴る。

 それはわっちのではなくリーダーの攻撃音。

 あれから負けては挑みを繰り返してみたけれど1勝もできず。

 ライトで目立っていたからか部活帰りの生徒たちが集まってくる。

 何度も立ち続けるわっちに声援を送ったり。

 けれどもちっとも勝てずとうとうリーダーが面を外してしまった。

 

 「あー止めだ止めだ!これじゃキリがない。

 俺の唇を奪うならもっと強くなって出直してきやがれ!」

 「わっちは、わっちは」


 わっちの技量不足で恋は終わった。・・・・・かに見えた。


 「うおおおおおおお」

 「ひゅー、ひゅー」

 「それもう告白じゃん!!」


 「はぁ?なんでそうなるんだよ!!」

 「り、リーダー。なんで観客達こんな盛り上がってるの?」

 「強くなったらキスするって言いまわしでしたよ?うふふふ♡」

 「なっ!!!!今のなし!!!さあ今日は終わりだ!!

 そこの集団!ぜぇってえええ秘密だかんな!!」

 

 リーダーの願い叶わず翌日に部活のランニング集団から黄色い声援を受けた。

 わっちの恋は先延ばしされたけれどこれでよかったのかな?



 嘘次回予告


 水泳部部長 「是非先生のチカラでシンクロ同好会を!!」

 シユ    「シンクロってテレビでやってた水の中でポーズするヤツ?

      シユもやりたい!!!」

 先生    「君は頑張れば県大会に行ける生徒だ。

      青春も大事だが君自身の進路の為だ」

 リーダー  「らしくないなセンコー。生徒の願いを叶えないなんて」

 側近    「でも抜け道はある!!!」

 当て字   「スポーツチャンバラ同好会と水泳部で。うふふふ♡」


 次回 

    激闘!!夏休み合宿編!!!

    

    結成!!シンクロガールズ!!


    たった1度の青春の花火。それでも私は!私達は!!!

    

    「水泳部部長として!ここにシンクロ同好会を解散とします!!

    協力して下さった皆様、そして観客の皆様。

    本当に・・・・本当にありがとうございましたッッ!!!」







 あとがき



 ー グランドの片隅 20時30分 ー


 センコー「あはははすまないなリーダー君片付け手伝ってくれて」

 リーダー「他のメンバーは帰らせた。いったい何を話したんだ?」

 センコー「何をって、君が本当にしたかったのはこれの回収だろ?」

 リーダー「俺のケータイ!!!!・・・・ってことは最初から気づいてたのか」

 センコー「たまには踊らされるのも悪くないからな。

     通話状態で会話を盗聴とは趣味が悪い。発案者は当て字君か?」

 リーダー「答える気はねーよ。全部俺がやったことだ」

 センコー「そういうことにしておくよ。あはははは」


 センコー「会話は全て聞いていたはずだ。なぜ側近君の挑戦を受けたんだい?」

 リーダー「俺は恋愛なんて興味がない。

     うじうじ悩むより剣で語ったほうが早いからな」

 センコー「この惑星って蛮族多すぎないか!!!戦いが生きがいみたいだ!」

 リーダー「センコーから見たら宇宙人だからな。

     それに口喧嘩なんて趣味じゃない」

 センコー「・・・・まっすぐで分かりやすい性格だな。

     だから側近君も当て字君も付いて来たわけか」

 リーダー「急にシリアスになるなよ!キモイわ!!」

 センコー「あはははは、じゃあ普段どうりに。

     後は私がやっとくからリーダー君は寮に行きなって。

     今から全力で走れば食堂開いてるからさ」


 リーダー「別に1日ぐらいカップ麺でもいいだろ?

     それよりシユって子は俺達の盗聴に反論しなかった。けれど

     ”流石に恋バナは当人の問題です!部長権限で帰ります!!”って」    

 センコー「あはははシユ君らしいな。自分で何とかできないから丸投げして。

     でもそれが今回の正解だ。

     下手に口出しをすれば破局したときに逆恨みで攻撃されるからな」

 リーダー「でもセンコーは応援側に回った。理由が分からない」

 センコー「リーダー君への信頼だよ。側近君を無下にはしないだろうし」

 リーダー「もし俺が信頼に足らなかったら?」

 センコー「その時は別のパートナーを勧めてたさ。

     よかったじゃないか知らない間に失恋してなくて、あははは」

 リーダー「それはそれで嫌だな。

     なぁ、ガラじゃないのは分かってるけどさ。

     恋や愛ってなんなんだろうな?」

 センコー「君のお株を奪うが私にも”分からない”んだ。

     だから君達から教わっている。友情の延長が今出せる結論だ」

 リーダー「友情ねぇ。っま悪くないからそういうことにしておくよ。

     ”センセー”・・・・・・・あっ」

 センコー「今先生って」にやにや

 リーダー「言ってない!言ってない!」

 センコー「いやーリーダー君の好感度が上がってくれて嬉しいなぁ!

     このまま友情飛び越えて恋愛も悪くないかなぁ!!!!」


 プチン


 リーダー「なんかうざいから帰るわ。後よろしく」

 センコー「え?ちょっと!1人は寂しんだぞ!!!

     そうかだから恋して2人になるんだな。

     って自己解決してる場合じゃない!帰ってきてくれよ!

     かむばあああああああああっく!リーダー君!!」

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