幕間 その8 反属性の原理

 この世界には火、水、風、土、光、闇の六属性精霊(エレメント)が存在する。魔法とは、『魔子』が生み出す『魔素』を対価としてエレメントと契約し、その力を借りる術法である。この六属性はそれぞれ、火と水、風と土、光と闇は反属性となって打ち消し合う。この反属性の原理は、反属性魔法を同時に衝突させると起こる現象というだけではなく、術者の属性との相性にも関係してくる。

 例えば、ある火属性が得意な術者は火属性の魔法を使い続けることで、火属性エレメントとの相性が良くなり、魔法の威力や精度が向上する。しかし、水属性を使ってしまうことで、水属性エレメントとの相性が良くなる反面、火属性エレメントとの相性が悪化する。つまり、一般的な術者が自分の魔法を高めようと考えた時、自分に合った属性を見極め、反属性のどちらか一つ、最大でも合わせて三つの属性を組み合わせて使いこなすという道を選ぶ。

 あえて、エレメントとの相性を犠牲にして、六属性をバランスよく取るという選択肢もある。その場合、一人で全属性に対応できる器用さを得る反面、限られた属性の高位の術者に対して、どの属性も通用しないという側面を持つことになる。

 魔子回路は、この反属性によって不得手となる属性の魔法を補うことを可能にする。しかし、これの得られる魔法効果は画一的な出力となる為、戦闘で使われることはほとんどなく、移動魔法などで多く使用される。

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