第7話 三夫、ある規則性に気付く

 まさか小芥子が防衛大臣としてTVに出てるとは!衝撃の事実に三夫は動揺を隠せない。しかし、ある事に気が付いた。あの老人から授かった紙に何かしらを書いてものに貼るとそのものが現実に存在することになるという事だ。事実、小芥子にも「防衛大臣」とあの紙に書いてあり、貼ってあった。かつ、現実に小芥子なのに防衛大臣として存在している。

「なるほどな。この紙にはそういう効力があるのか。大変なものをもらったもんだ。さて何を書いて貼ろうか」

 三夫はにやにやしながらくろごまの粒の様なあごひげを摩っている。

「いや、待てよ?残りの熊の置物と日本人形はどうなんだろうか。確か熊の置物は<長者番付第一位>で日本人形は<日本一の美人女優>だったかな?熊の置物は調べられるな」

 三夫はまたもCoookleで検索し始めた。今は5月で、去年の納税額の順位はもう出ているはずだ。国税庁のHPを調べたが、個人情報であるせいか、その類は掲載されていない。そうなると週刊誌やスポーツ新聞などの記事になっている可能性があると踏んだ三夫はHPで各紙の記事を調べ始めた。しかし、その関連の記事は無かった。

「うーん、どこにも載っていないな。長者番付って高額納税者と違うのか?」

よくよく調べると、長者番付とは「個人の総資産額のランキング」であることが分かった。

「へぇ~そうなのか。ま、いまは後回しにしておこう」

三夫は熊の置物と日本人形の件は先送りすることにした。


⇒第八話

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