第4話
四打目
◉ルビ
その日はしっかりと夢を覚えていた。なんだかよく分からないが相手がイラついていたからかもしれない。
…いい加減、上の文字読んでくださいよ。あなたの好きそうな仕様にしたんですから…私の力をお願いだから使ってよう…シクシクシクシク…どうせ今回も忘れるんでしょ。もう、嫌い。ばーか…
「ンだとこの!……夢か。なんだったんだアイツ。上の文字読め?」
(あれは気のせいじゃなかったのか)
「変な夢見たせいで早起きしちまったな…」
(とりあえず忘れないようにメモしておくか。アイツ泣いてたしな)
口は悪いが女には優しいジンギは夢の中の女にすら配慮した。もう泣かせたくないと思ったのだ。
風呂に入り、全身を洗う。鏡に写る自分の身体の入れ墨にニヤッと満足する。その胸元には
風呂を上がるとドライヤーで長い髪を乾かし後ろで一つに縛る。
(よし、少し早いがもう行くか)
今日は雀荘でだけ人の上に見えるあの文字を読もうと思って決意して家を出た。
愛車に乗って
ガッ、ガッガッガッガーーーーー!
「ヒューー」
(さっみいな。今日は巻くか)
縛っていた長髪を解き、首に巻く。こうするとマフラー代わりになり少しあたたかいのだ。
公園を横切り、階段を飛び超え、自分がスケボーで走れるルートで雀荘へ向かう。
ーーーーー
「到着っと!」
上の文字を読む。それを決めて階段を登るのは少しドキドキした。一体何が書いてあるのだろうか。
ガチャ。
カランコロン
「いらっしゃいませー!」
そう言う
(ル、ルビまで振ってあるの?読みづれえ…)
これが能力を見た最初の感想だった。
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