【フリー台本】脳内のボクへ

@miyanoanone

第1話

脳内のボクへ


寝る前に、反省会と称して今日一日のボクのダメだった所を教えてくれてありがとう。


ボクだけでは気づかなかった事もあって参考になるよ。


朝起きた時、沈んだ気持ちのボクを叱咤激励してくれてありがとう。おかげで毎日決まった時間に家を出れるよ。満員電車を見ると泣きたくなってしまうけど、その時は出てきてくれないね。


学校にいる間も、沢山出てきてくれてありがとう。この時が一番君が居てくれて良かったって思うんだ。色んなアドバイスをくれるよね。でも、周りの人は君と反対の事を言う時があるんだ。そんなときボクはどちらの意見に従うか迷ってしまう。お前の意見はないのかって?それは君が1番知っているでしょう?


今日はアルバイトもなくて、真っ直ぐ家に帰れたよ。幸い両親も残業で遅くなるみたい。1人の時間、嬉しいなぁ。じゃあなんでsnsを開くのかって?本当にね。なんでだろう?君でもわからないの?


また今日もなんて事は無い1日が終わったね。そんなに印象的な出来事はなかった様に思うけど、君はどう思ってるのかな。早く何か言ってよ。反省するから。もっと良い人間になるから。その為に君がいるんだろ。ねぇ、どうして今日は夕方からずっと静かなの?君だけ休むのはずるいよ、毎日あんなに偉そうなんだから、模範になれよ。おい。なぁ、おい。


…休んだ方が良いって、学校の奴らのアドバイスパクったね。要はもう尽きたんだろネタが。散々上からマウントで言ってきてたくせに何のアイデアもでないの?流石僕の中のボク。僕に似て無能だね。

…そうだ、考えられないなら代わってよ。僕がボクになるよ。毎日君をみて出来損ないだって叱責してあげる。




そうやって死ぬまで2人ぼっちで交代していこう?嫌な事が半分になるよきっと。

ねぇ?返事は?この案良くないねぇ?


…消えたの?


そっか。ボクは消えて僕1人になったのか。

心中出来ると、一緒に終わってくれると思ったのに。

結局妄想の中でさえ人間は自分勝手だ。




…さようなら



終わり


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