第50話 収束
俺は全ての色が霞、灰色となった世界で1人大きくため息を吐く。
「ふぅ……この魔法は相変わらず気持ち悪いな」
それに空気も固まっているので、結界と酸素を作り出さなければ俺すらも生きていけないし、空気が当たって痛いので普通に使いたくないのだ。
「直ぐに終わらせよう……」
俺は一先ず目の前で絶望の表情を浮かべているブレインの前に移動すると……
「どうせお前は改心なんてしないだろうから———じゃあな」
俺は手をブレインの前に向けると、ぎゅっと握って【空間削除】でブレインを消滅させる。
時間を止めている時にこれを使うと、後で空間に亀裂が出来て周りの物を吸い込もうとする。
だが一応削除した空間の周りは結界で覆っているので安全だ。
何回か試しているので間違いない。
「さて……これでメア達の安全は確立されたし……後は学園か」
俺はメアに沢山の結界を施した後、【転移】で学園に移動した。
学園はそれは結構ヤバい状態だった。
見た感じ死人は居ないが、学園の校舎は倒壊しており、それに巻き込まれた生徒や教師が負傷している。
「じゃあまずは回復からだな———【
学園の敷地内全域の空をを魔法陣が覆い、そこから癒しの光が降り注ぐ。
その光が負傷者の傷を癒す。
それと並行して俺は襲撃者である幹部達を探す。
まぁ探すと言ってもド派手にやってるから直ぐに分かるけど。
幹部は全部で5人。
女3人に男2人だ。
それぞれ特徴があるが……まぁどうせ見る機会なんて2度とないので割愛。
俺は早速1人の男の幹部に近付くと心臓辺りに手を起き、
「———この世で最も残酷な呪いを今此処に———【魔封印】」
1つの魔法を発動させる。
その瞬間に俺の手から黒い鎖の様なものが出てきて、男の体に入り、魔力器官を縛る。
この世界で最も大事なモノ———それは魔力。
この世界で魔力がない者は死ぬしかないとまで言われるほど大切なモノだ。
しかしこれはそんな魔力を永遠に封印することが出来る禁呪である。
その封印は術者本人である俺ですら1度掛ければ解呪出来ない。
呪いを返されれば術者が使えなくなる。永遠に。
まぁだからこうして時間を止めてなるべく気をつけているのだが。
一応この魔法を返せる人間は世界に3人しか居ないので大丈夫……なはず。
「よし、次」
俺はそれから順々に幹部達にそれぞれ【魔封印】を施していく。
どうせコイツらはこれから死ぬまで牢獄だろうし、魔力が使えないとバレてもまぁ……罪人だから特に詳しく調べられないだろう。
調べても分からないだろうが。
全員に魔法を施した後、5人を一纏めにして学園の入り口に縛っておく。
学園の校舎は面倒なので直さない。
あれは教師にしてもらおう。
「じゃあまたメアの所に帰ってイチャイチャしよ」
俺はウキウキしながらメアの下へと帰った。
こうして前代未聞の学園襲撃は、誰も気づかない所で、たった1人の少年が全てを一瞬で終わらせてしまった。
—————————————————————————————
下⇩⇩⇩の☆☆☆を★★★にしてくださると嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます