第31話 決闘
ジャンル別日間10位ありがとうございます!
それでは本編をどうぞ。
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―――1時間後―――
俺とユージンとユフィは、決闘を行うため、何時も使う練習場とは比べ物にならないくらい広い大会兼決闘用の武道場に来ていた。
そして外野には何百人もの生徒達が観客として入場している。
だがそのほぼ全てがユージンとユフィを応援する声ばかりで、俺は序列戦以上のアウェイ感をヒシヒシと感じていた。
まぁ怒りのお陰でそこまで気にならなかったが。
因みに教室では、殺伐とした雰囲気になっていた所を生徒に連れられた教師が来て、ユージンが俺の話す隙を与えずに説明すると、俺の言い分など全く聞かずにあっさり決闘の許可が出た。
なんならその教師まで俺を侮蔑の目で見ていたほどだ。
誰しもが俺の有罪を信じて疑わず、そもそも俺は落ちこぼれと名高いので絶対に勝てないと思っているだろう。
実際に俺は序列は1番下で、ユージンは序列1位。
ユフィも2年で序列は3位と結構高い。
数字だけ見ても俺の不利は一目瞭然で、そこに更に2対1と言うハンデまで加えれば、俺の勝ちなど万に1つもありえない、と誰しも思ってしまうのも無理はない。
実力を隠していたのは自分だ。
今まで蔑まれる様に努めていたのも、メアの言葉がったとは言え、最終的には自分のした事なのでとやかく言うつもりはないが、この機会にしっかりと見せつけてやろうと思う。
それに―――
「大丈夫なのかジン!? 2人とも超強いぞ!!」
「そうですよジンさん! 1人でも厳しいと言うのに、それを同時に相手にするなど危険すぎます!!」
俺のことを本気で心配してくれる友達が2人もいるのだ。
「大丈夫だ、安心しろ。俺は絶対に―――
そして―――
「……本当に申し訳ありません……私が力を隠せと言ったばかりにこんな事になってしまうなんて……」
俺の推しでこの世の全てであるメアが俺に申し訳無さそうに謝ってくるので、即行で頭を上げさせる。
「いや全然メアのせいじゃないって! あの女が俺に婚約破棄されて勝手に恨んでるだけだから」
まぁこの決闘は何方かと言うとユージンが仕組んだ気がするけど。
だってユフィならもっと陰湿に仕掛けてくるに決まっている。
「それにメアは俺の強さを知ってるだろ? あんな奴らワンパンだから安心して見ていてくれ」
「……ふふっ、そうですね。ジン様ならきっと大丈夫でしょう。―――頑張ってください」
推し―――いや好きな人が目の前で応援してくれる。
これさえあれば、どんな事でも乗り越えられるのだ。
「ああ―――俺の晴れ姿を見ていてくれ」
俺は舞台に上がる。
燃え盛り、今にも爆発しそうな怒りを孕んで。
「あらよく来ましたわね! てっきり逃げると思って居たのですけれど……」
「何故勝ち戦から逃げないといけない? 貴様は相変わらずおつむが足りないな」
「なっ!! 貴方今私を侮辱いたしましたわね!? 後でどれだけ無様に謝ってきても許しませんことよ!」
「勝手にしてろ。貴様に謝罪する日など永遠に来ない」
俺はユフィから、今回の首謀者でありそうなユージンに視線を移す。
奴は序列戦と同じく余裕そうな笑みを浮かべていた。
「僕はジンが来ると信じていたよ」
「そんな信頼は要らん。だが……貴様何故俺に決闘を吹っ掛けた? 俺は貴様に何もしていないはずだが?」
大方理由は分かっているものの、奴の口から直接聞きたかったのでそう言うと、予想外の言葉が出てきた。
「僕はね―――君が邪魔だったんだ」
「は? 何故だ?」
俺がそう聞くと、何時も浮かべていた余裕そうな涼しい笑みを消し、情欲に眩んだ気持ち悪い笑みを浮かべる。
「僕はね……君のメイドであるメアが欲しい!!」
「……あ”?」
「確かにアリアやソフィアも美しい……が、もう見飽きた。でも彼女―――メアは違う! 僕がどれだけプレイしても絶対に君から奪うことが出来なかった! でも此処は現実だ! 此処で君を殺せば彼女は行き場を失う。始めは嫌がられても無理やり僕のメイドにすれば後は僕の好きな様に出来る!! ああ……僕の下であのクールな彼女がどんな表情を見せてくれるのか……今からでも楽しみでしょうがない!! だから―――君には此処で死んで貰おう」
そう言って殺気立ち、明らかに強そうな剣―――光剣を構えるユージン。
ユフィも歪んだ笑みを浮かべて
俺はそんな2人を見てホッと息を吐く。
ああ、よかった…………どれだけ壊しても罪悪感が湧きそうになくて。
「それでは―――試合開始ッッ!!」
軍隊女の合図と共に、ユージンとユフィが無詠唱で【身体強化】を発動させて俺に接近してくる。
「死ねえええええええ!!」
「無様に地に伏せるのですわ!!」
ユージンとユフィの剣が俺の首と胴体を切断―――
「―――【
―――することなくあっさりと回避し、俺の魔法によって動きを封じられる。
勿論今ので勝負が着くと思っていた2人は驚愕。
「なっ!? こ、これはッ!? ジン……貴様ッッ!! よくも―――」
「クッ……離すのですわ!! さもないと―――」
「―――黙れ―――」
俺の魔力が篭った言葉に2人の声が止む。
それだけでなく、気付けば観客の声援も止み、意味がわからないと言った風に固まっていたが、そんなのはどうでもいい。
「―――【封印解除】」
ゴウッッッ!!
「「なっ!!??」」
俺は今まで封じていた魔力を開放。
その瞬間に魔力の奔流が俺を中心として巻き起こり、その膨大な魔力に当てられた2人は更に驚愕の表情を浮かべた。
そんな2人に俺は本気の殺気を放ち告げる。
「貴様らは俺の逆鱗に触れた」
その言葉だけで2人の顔が真っ青になりガタガタと震え出す。
2人の瞳には既に戦意は微塵もなく、人生で初めて触れた自分よりも強者の殺気への恐怖しか宿っていない。
俺が一歩近付けば、
「や、やめろ……来るな!!」
「ひっひぃぃぃぃ!? こ、来ない、っで!」
2人は顔から体液を噴き出して情けない声を上げる。
いや訂正しよう。
身体中から体液と言う体液を撒き散らしていた。
そのせいで2人の周りは見るも無惨な惨状になっている。
しかしそこまで行くと、流石にヤバいと感じたらしい軍隊女が決闘の、如何なる理由があろうとも邪魔はしてはいけないと言う契約に反して此方に飛んできた。
既に魔法まで発動している。
チッ……本当にイライラさせてくれるなッッ!!
「ま、待て!! それ以上は———」
「貴様は邪魔だ!! 来るんじゃないッッ!! 【神魔結界】【
俺は軍隊女に目を向ける事なく、結界魔法を発動して閉じ込め、俺の邪魔をできない様にする。
更に他の教師や生徒が邪魔できない様に、何百もの全属性の魔力の槍を生み出し俺を守る様に配置。
「貴様ら全員もだッ! 決闘を邪魔するなら命はないと思え!!」
俺は魔法を向けられて恐怖しているこの会場にいる奴らを尻目に2人の目の前まで行くと、にこりと笑顔を浮かべる。
「色々邪魔があったが……さぁ―――断罪の時間だ」
もう2度と、メアに危害を加えれない様にするために―――
―――徹底的に壊してやる。
「――――――【
その瞬間に景色が変わる。
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次回、ジンの私刑開始。
次は18時3分に投稿します。
ぜってー見てくれよな!
……何も言われなかったので使っていくスタイル。
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