第9話 修練のために魔力量を増やす様ですよ②
どうもジンです。
つい数十分前に無理だと叫んだ俺ですが……
「おおおおおすげええええ!! めちゃくちゃ楽しいんですけど!!」
現在【炎球】と【
いや思った以上に簡単だったの。
魔法は発動した後も術者と細い魔力の糸みたいなので繋がってて、そこから魔法に干渉するんだって。
それを知ってからはあっという間にコツを掴んで自由に動かせるようになった。
まぁその横でメアが少し引き気味だった事には死ぬほどショックを受けたけど。
何なら普通に死のうかと本気で考えたほどだけど。
「……ジン様、そろそろ次へ行きたいのですが……」
メアが先程とは違い、微笑ましい物を見るような目で言ってくる。
俺はその言葉で我に帰り、自分の言動を振り返って無性に恥ずかしくなった。
柄にもなくはしゃぎすぎてしまったぜ……でも楽しかったんだもん。
それに体は子供だからこのくらいなら許される……はず。
俺は羞恥からメアから顔を背けて魔法を消す。
これも魔法操作の派生で、操作するよりも簡単に出来る。
そんな事をしている内に顔の熱がある程度引いたのでメアに向き直った。
「……次に進んで良いよ」
「承知致しました。ではこれからが本番です。まずは私が一度やってみせますのでよく見ていてください」
俺が魔力視を再び発動させるとほぼ同時にメアが魔力を体外に放出する。
これは魔法ではなく、純粋に魔力を噴き出しているだけで、操作と言うより暴走に近い。
しかしそれによってメアの残存魔力量が大幅に減った。
するとそこから奇妙な事が起きた。
体外に放出されたはずのメアの魔力がどんどんと、まるで周りの魔力を侵食するようにして増えていくではないか。
メアは目を閉じ、苦しそうに顔を歪めている。
「はぁはぁはぁ……これが魔力干渉です……。これは主に相手の魔法を妨害したり、体外の魔力で発動させる魔法に使用されます……」
「それは凄いんだけどさ……メアは大丈夫なのか?」
俺的には苦しそうにしているメアの方が気になってしょうがないんだが。
「は、はい……問題ありません。少し集中しすぎて疲れただけですので……。普段はこれをほんの零コンマ数秒で発動、解除しますので、これ程長い時間は使わないのです」
「体に負担がかかるから?」
「それもありますが、1番は集中しないと維持できないので戦闘では無用の長物と成ってしまうからです」
まぁ確かに戦闘中に目を瞑ってたら、狙ってくださいと言っているようなものだもんな。
「ではジン様もやってみてください。コツは、自然の魔力をよく感じることです」
俺は言われた通り意識を集中させて魔力を少量――魔法1発分程――体外に放出し、その魔力から自然の魔力を認識する。
やはり自分の魔力と自然の魔力は違うようで、自分の魔力が塗りつぶされた紙だとしたら、自然の魔力は何も書かれていない真っ白な紙と言ったイメージだ。
ならその紙を俺の魔力によって俺色に染め上げてやれば良い。
自分の魔力を絵の具だとイメージして、紙に俺の魔力の色を塗り込んでいく。
すると少しずつだが確実に自身の操作できる魔力が増えている気がした。
「す、凄い……まさかもう習得してしまうなんて……」
メアが何かを言っているようだが、今の俺には全く聞き取れなかった。
自身の知覚する空間が広がっていく。
これは俺の魔力が着々と増えていっている証拠だ。
よし……後はこれを―――
俺は膨大な魔力を操作して、この2年で自分の体内に眠る膨大な魔力をより使いやすくするために新たに作った疑似魔力器官に魔力を取り込んでいく。
吸収するのは放出の手順の逆をすればいいだけなので理論上は問題なかったが……どうやら上手くいったようだ。
―――ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
膨大な魔力をいっぺんに動かしているため、俺を中心に渦の様な風が発生して轟音が鳴る。
そして吸収された魔力は俺の疑似魔力器官にどんどんと魔力が溜まっていき、変換した全魔力の約7割を吸収した所で魔力器官が満タンになり、これ以上は命に関わるので魔力の干渉を解く。
「――――――は――ッ!! ゴホッゴホッ!! いやっ……死ぬ……ゴホッッ!!」
どうやら魔力を吸収している時はずっと呼吸を止めていたようで、咳が止まらないし頭も割れるように痛く体も鉛のように重い。
俺は立っていることが出来ず地面に倒れる。
「―――ジン様!!」
遠くでメアが俺を呼ぶ声が聞こえる。
あーめちゃくちゃ綺麗な声してるなぁ。
あの声で子守唄なんて歌ってもらえば10秒以内に寝る自信があるね。
いや逆に聞きたくて寝ないかもしれない。
――なんて馬鹿な事を考えながら意識を失った。
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今日の18時3分頃にもう1話投稿します。
ぜひ見てみてください。
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