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僕 白石純太は京都府に移転したばかりの文化庁の一角にある極秘の内閣情報局にいた。
日本政府の上層部でも異方からの侵略者《コンスタドール》とその抵抗勢力の争いの痕跡が把握されていた。
ただ、異次元とは少し違う、異方からエネルギー源として人間狩りを行うといった一般の人から見れば荒唐無稽な話は情報の少ない現時点では受け入れられないだろう。
そもそも対策すら立てられないのだ。
人間の中にも何人か異能力を持つ者がいるとの情報は得ているが、抵抗勢力《レジスタンス》とのパイプがあるわけではない。
ある高校でその戦闘が行われるらしいと言うところまでは掴んでいる。
しかし、その実態がつかめていない。
なにせ、時間を止め、その結界とでもいうキューブの中で行われるのだ。
僕はそこまで高度なものを持っているわけではないが、極限まで気配を消し、短時間ながら時間を止めてその中で移動できるという異能力があり、そこを買われてスカウトされた。
入学してからまだそう時間は経ってないが、見たまま報告をする。
「早坂情報部長、実は同級生に久保という女性がいて、彼女は止めた時間の中でも活動できるようなのです、しかも重要人物である誉川芽衣子の友人でもあります、彼女をスカウトしてみてはと思うのですが?」
「白石君、それは少し調査してからのほうがいいかもしれんな、コンスタドール側の人間という可能性もある、向こうは君に探りを入れたりはしてないかね?」
「そういえばやたら親しくしようとする態度も見られました、少し注意が必要かもしれません。」
「こちらでもレジスタンス側とコンタクトを試みてみる、しばらくは現状維持だ。」
「了解しました。」
そうして僕は文化庁の門を出る。
もちろん守衛すら僕に目を止めることはない。
ふう、前途多難だな、それにしても。
突然肩を叩かれた
「しーらいっしクン!」
「く、久保さん。?」
「偶然だね〜、白石クンも京都観光なの?」
「そ、そんなとこだけど久保さんがなぜ京都に?」
「もちろん観光だよー、観光で保津川下りに来たんだけど大変なことになってて乗れなかったから市内に来たんだ。」
「そ、そうなんだ。」
「じゃあ、この後一緒に京都観光しよ、決定!」
有無を言わさずまた荷物持ちをさせられることになった、なんなんだこの子は?
「そうだ、例のホメ子ねえ、やっぱりイサミンが好きなんだって。」
「え、そっとしておこうって。」
「うっかり本人に聞いちゃったよ、ごめんねー。」
なんてことするんだ、あっち側に介入は極力避けなければならなのに。
なんてこった。
少し離れたところからその様子を観察する早坂情報部長がいた。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
別の恋模様が発展している!?
ホメ子さんに褒められたことがないのはカラス君?
果たして乙女の勘は当たるのか?
作者からの返信
コメントありがとうございます!
当たったらいいですね!