第38話 「ビギル 勝利のホイッスル」
こんにちは!
なんというかもうね……このところ、「RRR」から火がついて全国的に(とはいえ地方によってはまったくみたいで、泣いてる方のコメントも見るのですが・汗)インド映画の上映が相次いでいますね。
特に、ちょっと前の過去作。最初の公開時にはまったく注意を向けていなかったお客さんが、今やたくさん映画館に足を向けていらっしゃるようで、なによりなことです。
今回からご紹介する映画も、実はそんなムーヴの中で再上映されたものになります。
地元関西に昔からある「塚口サンサン劇場」さんも、そうした映画を(インド映画のみならず、ではありますが)古いものもリバイバル上映してくださっている貴重な映画館。
今回の映画もそちらで拝見いたしました。
〇「ビギル 勝利のホイッスル」(原題「Begil」)
2019年製作・公開
アトリ監督作品
インド・タミル語作品 177分
ヴィジャイさん主演。そう、「マスター 先生が来る!」「サルカール 1票の革命」ですでにご紹介した、あの「
こちらもまたもや、ヴィジャイさんの魅力が爆発している作品でした。
しかも今回、なんとひとり二役もこなしておられるのです! これは見逃せないっ!
ネタバレを避けつつ……と考えると実はけっこう難しいストーリーではあるのですが、なんとか頑張ってみますね。
チェンナイの下町(スラム)に住み、そこのボスとして人望を集めている青年、マイケル(ヴィジャイさん)。彼にはかつて、サッカーで素晴らしい成績をあげたという華々しい過去がありました。
ところが、過去のつらい事件のためにその夢をあきらめざるを得なくなり、今ではスラムのボスをやっている……という男。
ある日、女子サッカーチームの監督をしている友人と一緒に車に乗っていたところ、敵対勢力に襲われてしまったマイケル。腕っぷしの強さでそれを撃退したのはよかったのですが、なんとその友人が重傷を負うことになり、大切な試合に行くことができなくなります。
親友が強く推してくれたことで、その女子サッカーチームの監督を務めることになったマイケル。しかし「どうしてヤクザなんかに監督してもらわなきゃなんないのよ!」と選手たちは大反発。前途多難なのでした……。
実はマイケルの父親はスラムのヤクザのボスをしている男ではあったのですが、息子マイケルのことは非常にかわいがっていて、彼がサッカーで身を立てることを心から応援し、「こちらの世界へは来るな」と気遣ってくれていました。
この父親を、なんとヴィジャイさんが少し老けメイクをして一人二役! しかもまったく違和感がない、いやそれどころかめちゃカッコイイのです!
息子であるマイケルのヴィジャイさんが、お父さんのヴィジャイさんに「さあ、ハグしよう」と手を広げられると、なんか本当に嬉しそうに雛鳥みたいにちょこちょこちょこ……っと寄っていってハグしてもらうシーンが何度かあるのですが、これがもうとんでもなく可愛い。
「なにそれ、犯罪!? 可愛さのテロ?」ってなるのはきっと私だけじゃないと思う(笑)。
こちらの物語は、なにより女性のエンパワメントを主題としているところが印象的。
インドだけのことではないでしょうけれども、女性が公衆の面前で足を出してスポーツをすることに反発する保守的な考え方があって、女性が自分の夢を追うことが難しかったり、女性だからこそ抱えている問題が劇中では色々とクローズアップされます。
どれもこれも、涙なしに見られない。
本当に胸アツな展開が続き、それが最後の試合シーンですべて昇華されていって、実際に試合を見ている人のような気持ちになり、胸が痛くなるほど感動しました。
もちろんいつものように素敵な歌と踊りも!
今回はなんと吹替えの歌でなく、本当にヴィジャイさんが歌っている歌もあります。
まことに、これは心からオススメしたい映画のひとつとなりました。
機会があれば何回か繰り返して観たい映画です。
ではでは、今回はこのあたりで。
ドスティ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます