第3話 タラクさんとチャランさん(俳優陣)
ではいよいよ俳優さんたちについてのご紹介です。
まず「森で生まれ無知だった……」とみずから語る森の勇者ビーム役、NTR Jr.(ナンダムーリ・タラーカ・ラーマ・ジュニア)さん。
なんか頭文字らしきアルファベットが並んでて「ちょっと変わったお名前だなあ」と思ってたんですが、テルグ語映画界にはこの同じ「NTR」という名の有名な俳優さんかつ政治家でもある方がおられるそうで。それが実はビーム役の彼の実のおじい様なのだそうです。
日本のファンのみなさんはNTR Jr.さんを「エヌ・ティー・アールさん」とか「タラクさん」とか呼ぶ人が多いようで。
というわけでここからは私も「タラクさん」呼びとさせていただきますね~。
タラクさんはおじい様、お兄様もインドのテルグ語映画で有名な俳優さんだとかで、俳優ご一家。なるほどつまりサラブレッド! すさまじい才能をうけついでらっしゃるわけですね! もちろんご本人もめちゃくちゃ努力なさってるはずやけども!
あ、ところでテルグ語映画はあちらでは「トリウッド」と呼称されるそうな。こちらは南インド。対する北インドを中心とするヒンディー語映画のほうは「ボリウッド」。「RRR」を機にいろいろ調べてたら、なんや勉強になるわあ。
もちろんインドはもっともっと言語の多い国です。メインになる言語だけでも20あるとか。今回の曲の歌詞も本来はテルグ語なんですけど、他のいくつかの言語でも歌われてファンに届けられているようです。
タラクさんは鍛え抜かれた肉体と、ときにカッコよくパワフルで、ときに純朴で可愛らしいビームを本当に魅力的に演じられました。
インドのかたなので基本的におヒゲだし胸毛やら腕毛やらありまくりなのに、観れば観るほどビームがどんどんどんどん「可愛い生き物」にしか見えなくなっていくこのマジック!
「兄貴、兄貴ぃ……やめてくれよ兄貴ぃ」とラーマ兄貴に涙ながらに哀願するところなんて、声もかすれててほんま可愛い。
もちろんダンスの才能もビックリもんです。
例の「ナートゥ・ナートゥ」のダンスではあれだけ高速で複雑な動きをしていながら体の中心がいっさいブレません。手足は激しく動いてるのに頭がまったく動かないし、至近距離で踊ってるラーマ兄貴に当たることもない。体幹とダンス技術の高さにもう脱帽です!(ダンスについてはラーマ兄貴もすっごい!)
彼のソロで歌われる曲「
タラクさんのお生まれはインドのハイデラバード、1983年。
この生年を知ってびっくりしたのが、ラーマ兄貴役のラーム・チャランさんよりふたつ年上(!)ってことでした。
劇中ではラーマ兄貴を「兄貴、兄貴」(「バイヤー」あるいは「アンナ」)と呼んで慕っていて、どこからどう見ても「弟です!」って感じなのに、実は年上……!?
最初に知ったときはちょっと脳がバグりました(笑)。
あ、でも実はこのおふたり、普段はむしろ逆の雰囲気なのです。
タラクさんの方が兄貴ふうで、チャランさんの方がカワイイ担当みたいになっちゃう。インタビューの途中ですぐお互いをくすぐりっこし始めてみたり、いつもにこにこ笑いあっててめっちゃ仲良し。そしてお互いに深いリスペクトも抱いているのが伝わってきます。
ラーマ兄貴役のラーム・チャランさんはなんと言うか、「どこからどう映しても男前! 二枚目ハンサム! 間違いなし!」というお顔だち。しかもこんなにも知的な雰囲気がありながら、筋肉がっちりカッコいい系。
ちょいと調べたら「テルグ語映画界では出演料がもっとも高額な俳優の一人」と言われているそうな。すげえ(笑)。
タラクさんもですがチャランさんもラージャマウリ監督とは何度もお仕事をされているそうです。チャランさん主演の同監督の映画「マガディーラ 勇者転生」がまたすんごくいいらしい!
「バーフバリ」も先日申したとおり観に行ってとてもよかったんですが、役者さんは存じ上げない人ばかりだったので、チャランさん主役ならばこちらも見逃せないぞっ!
チャランさんは1985年インドのチェンナイ出身。
やっぱり演劇ご一家に生まれたサラブレッドなのだとか。
インドではタラクさんもチャランさんもすでにスーパースターの扱いなので、このお二人が主役として共演すること自体が事件みたいなもんだったそうな。そらヒットするわ!(笑)
おもに主役ふたりの話になっちゃいましたね、ご容赦ください。ほかの俳優さんたちも、子役さんたちもそれぞれに本当に個性的で魅力にあふれていましたよ~!
ラーマ兄貴の子ども時代を演じた子役さんも、そのお父さん役の方も本当によかった。
とにかくまだ観てないかたは、このエッセイ読んでるヒマにはよ映画館で観てくださいませ~っ! まだやってる、まだやってるよ……!
かく言う私はついに「発声応援上映」とかいうものに参加することに……!?
いま日本各地で普通の上映とともにこうした「マサラ上映」とか「発声応援上映」とか、鳴り物もって見に行ける上映をしてくれる映画館がちらほら現れておりましてね……。
「え、なに持って行ったらええの、タンバリンとか??」って楽しみながらも焦る焦る(笑)。
どうなるどうなる??
ということで、また続きますね~!
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