性格最悪

エリー.ファー

性格最悪

 壊れゆく時間が私を選んでいる。

 詳らか。

 審らか。

 風になる夕暮れに君と遊ぶ時間を求めている。

 必要に迫られる。

 完全ではない。

 しかし、疾走感とともに生きていたい。

 結核が歪みを生み出している。

 神になるために鬼になるために。

 君と私で作り出したラプソディに、まだ名前はない。

 夢を見ているのは、すべて君のためだ。

 極上から始まる物語であれば、フォルダの大きさは無視できるのである。


「夢を見ているのです」

「叶いますか」

「叶いました」


 非常口に魔物がいると思いませんか。

 いませんか。

 そう、ですか。

 悲しい勘違いでした。

 魔物は私の方でしたね。


 青く輝く君との時間を大切に抱えて生きていたいのだ。

 放送禁止用語を積み上げて下さい。

 粉が欲しいのですが、どこで売っていますか。

 ゴルフが好きです。

 裸が好きです。

 全裸とヌードでイメージが違うのは何故ですか。


「お前の家に雨雲を迎えるための儀式をしている」

「ゆっくり行うといい」

「静かにパンジーを食べて下さい」

「何故ですか」

「毒があるためです」

「静かに食べると毒の影響を受けずに済むのですか」

「夢を見ました」

「私の話を聞いて下さい」

「夢が最も美しいのです」

「現実よりもですか」

「現実によって感じられる夢の形が最も大切なのです」


 必死さが足りないと思いませんか。

 誤解を五回も解く。

 球拾いが趣味です。


「メンタルスポーツが最も美しい」

「そんなわけないだろ」

「そんなわけないだろって、どういう意味だよ」

「どういう意味って、なんだよ。自分で考えろよ」


 日本国籍の間違いを記憶しました。

 メールの中にシンプルな思想を添付しておいて下さい。

 記録媒体を水の中で保管して下さい。

 ゴルフボールを使って殺して下さい。

 

 文字数が最も重要です。

 眺める限りは、芝生も甘く感じるものです。

 例えてはなりません。

 会話も禁止です。

 夕暮れの似合うマネキンを連れて来て下さい。

 発想力だけは熊の形に似ているのです。

 検索してはいけません。

 白い砂に真っ黒な悪意を忍ばせることを人の業と言います。

 綺麗なグラスだけ壊して下さい。

 凍てついた春には、冬の香水が必要です。

 越冬から始まる傀儡のダンス。

 敗走から始まる。

 千年を下さい。

 闇に近いのであれば、百年分の悲しみを携えて下さい。

 銀色の光線銃に僕を詰め込んで下さい。

 逼迫する。

 矢印を塩漬けにして下さい。

 赤い社長と青井社長、黄色い社長と黒い社長。

 古都。

 上辺だけの優しさ。

 表面的な人間の優しさ。

 血色。

 皮肉めいた慕情の中に見える棒状の古城には、今日、情報を詰めた教皇によって表層だけの文化の消灯が感じられる。

 バベルの塔、それとも、ただの塔、口頭では分からない両刀使いの咆哮。


「このままずっと、生きていたい」

「難しいけれど。きっと、できる」

「理由は特にない」

「破滅した性格だからこそ生まれ出る答え」

「麦茶を飲みたい」

「何故」

「夏だから。あなたと私のための夏だから」

「刻み続けるのが一番良いと教えてくれた神様のために」

「音楽って、最高だと思いませんか」

「名前が大切だ」

「答えが欲しいのです」

「人生なんて、そんなもの」


「またも創り出す。二度、三度ではない。百でもない、千、万、億。追いつけないほどの場所に立ちながら見下ろす世界の煌びやかなこと。そして、圧倒的な居場所。表も裏も頂点。知らせるための時間だけが積まれていき、笑う神である。人間ではある」

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