第18話 塔の声とタミウス様を調べたら


 さてローデルさんとの約束も終わったしちょいと調べもの、今回の話は一寸激動が過ぎるので裏付けを、伝声塔での事で気になっていることも調べよう。

 実はあの時空耳ワードが薄っすら聞こえた、英語など聞いていると聞きなれた言葉に聞こえるあれ。

 なんせ日本語でガイさまと聞こえたので逆に気にしなかったんだがサインラル家で話を聞いてから妙に気になる。

 時期的にもあまり離れていないし。それでウィンドウの一つを伝声塔に置いていたわけだが先ほどやっぱり聞こえた、時間が似ているのも気になる。

 たまに何かの音が重なって雑音が声に聞こえることも有るがこの世界で定期的に音が鳴る物は見つけていない。


 「難しい顔してるねー」

 クリームさんが顔を近づけてきた。この人全身から女の気が出てるみたいでドキドキする。

 「クーちゃん近寄りすぎ、ほんとおじさん捕獲機なんだから・・」

 「なにか?」

 「いえ、普通に突っ込んじゃったどして?」

 「いや僕に聞かれても」


 マリナさんがおかしなことを言う。


 「変よねー坊ちゃんが危ない気がして、え、クーちゃん!?」

 「いやそんな気は無いような」

 「すみません昨日伝声塔に行ったんですよ、そこで奴隷解放の話が聞こえて」

 「ああそれ僕も知りたかったんだけどマリナに止められてさー」

 「クーちゃんはいいのさあ馬車に行って掃除するよ、あれが寝床なんだから」

 「おっぱい見たくなったりする?」

 「クーちゃん!!」

 「ハーイ、じゃあまたね」

 「はい」


 あぶねー、あの二人やばいぞ、どきどきする。


 「あんまりお姉さんを増やさないで下さいよ?」


 黒い、黒いリサさんが居る。

 「やダナー狙っていませんよ」

 「ふうん、あれリリカちゃんは?」

 「ほんとだ嬢ちゃんさっきここにいたよな」

 

 見張りをジョイさんと交代したらしい、でかっ!いやフットい、デバスさんの腕、鍛えた人の太ももぐらいあるぞ。違うゴマ化さないと。

 「ちょっと頼みごとをして町に行ってもらいました」

 「おいおい本気か一人でか!」

 「大丈夫ですよあのでっかい盗賊伸したのは彼女ですよ」

 「ほんとか!、あ、でも万が一もあるしなぁ」


 こいつ今一戦って考えたなその腕で腕力上昇って何の冗談だよ、そりゃ戦槌と大楯同時に使えるわ。


 「ホントにホントに安全な道も教えたし」

 まだ納得していない。

 「追いかけようにも少々達者でも無理ですよ早いから」

 「そうかそれでもなぁ」

 「なぁに二人で悪だくみ?」


 テミスさん危ない危ない前かがみ禁止!!。

 「違うわ、嬢ちゃんが一人で町に行ったってよ」

 「オムルくんが?」

 「はい、僕が頼みました」

 「じゃあ大丈夫でしょ、団長が雌になっちゃうくらいの不思議君よ」

 「ほんとかよ」

 「ホントホント、あれ見て」

 「うわっ、赤い顔でちらみしてやがる。わかったわかったわかりました、一応上から様子見はしとくよ」

 「ふふ、それと坊ちゃん視線分かりすぎよ。」


 やかましい腕立て伏せを心配するほどの物をぶらさげて解ってないわけない。見ないように今まで頑張ってたのに。


 幼女たちの楽しげな声を聴きながら件の町なんか見に行ったり鍋をひっくり返したり醤油を冷まして直したり村の氷室をケアしたりしているうちに日が赤くなってきた。


 コミネ村を覗くとリリカが待っていた。

 「おかえりー」

 「ただいま~」

 「今度またゆっくりね。」

 「うん、あと言伝、タミウス様なんとかしてって」

 端折るな、村長が困ったなー、とか言ったんだろ。

 「大丈夫、大丈夫この間から精神攻撃してるから」

 「そう?」

 「理由があまりに子供でさ今寝込んでるよ」


 例のタミウス子爵実はクラウ女子と密通していたセレスタ男爵の第三婦人と、貢がされていた分けではなく会って貰えなくなった為おかしくなった。

 いつも真っ赤なドレスを着ている派手好きな女性で男の反応は両極端だった。

 合わなくなったのは、ばれている雰囲気があったため、もともと若い子と遊ぶぐらいの感覚だったので後腐れは無いつもりだったのだろう。

 上領主コバートロン伯爵の第五子誕生パーティーで他の子爵連中に身なりや馬車、収支などの経済的マウントの餌食になっているところをタイミング悪く彼女に見られた、以後連絡が取れなくなった為に病んでしまった。


 まったくの勘違いだけど意識的に被害者な女性にしたのは私だ、その、夜の変な痴態やあちこちの処理の様子などを見せてあげた、うん覚悟は無い、でも飢えで死んだ子もいる、同時にそんな家や、本気で信じている領民も見せてあげた、ほら今ドアの外まで来ているメイドさんもその一人だ昨日見せてあげたよね後は起き上がって微笑んでうんそれでいい。


 「どう」

 「大丈夫みたいだ良い子がいて良かった」

 「そう、よかった」

 「っをい!!、嬢ちゃんいつ帰ったんだ。」

 「たった今ですよ」

 「どっから??」

 「こっちの崖直接上りました」


 瞬時に理解したのか凄いな。

 「こっちか~危ね、ほんとにか」

 「村一の腕白でしたから」

 「「わんぱく??」」

 「か、活動的って意味ですはい」

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