第19話 ジョンお爺様!!

鳥の鳴き声がする。


窓からさす光が暖かくすんなりと布団からでれた。


あと微かに紅茶の匂いがする。


少し体が重い。



「おはよう。愛しい子」

、、、誰?


『おはようございます?』

喉がすごく渇いているがそれよりも気になることがある。


窓の近くに一人の優しく微笑む紳士がいた。

オールバックされた金髪に綺麗な濃くはっきりとした緑色の目をしていた。


服装は、派手すぎず地味すぎず僕が好きな感じの服だ。

常磐色が一番近い気がする。


ふと視界の端で何かが金色に光っていた。

結婚指輪に見える。


この紳士に、既婚者の可能性が出てきた。


太陽の光を浴びて微笑んでいる紳士を見つめていると。

「混乱しているようだね。ネオン君のかわいらしい金色の瞳でおじさんを見つめないでおくれ。

ところでネオン君クッキーは、好きかい?

今日は、私のおすすめのものを見繕ったのだけど、、、ネオン君の口にあうといいなぁ」


この人は、すごく優しい人だと思う。

一言一言丁寧にゆっくり話してくれる。

そして仕草一つ一つが可愛らしい。


この人は、まるで森か何かの神様か何かなのかもしれない、そんなことあるわけないのに自然とそう認識してしまう、

不思議な感じがする。


この人の近くにいるだけで心の汚れが綺麗に落とされていく気がする。


さっき私の名前、、、ネオン君って呼んだよね?

あれ!!

なんで知ってるの?

とりま聞くか、、、

『すみません、、、僕とあなた様は、どこかで一度お会いしましたか?』


自分がそういうと紳士は、眉毛をハの字にして少し困った表情を浮かべて口を開いた。


「あぁすまないね。僕は、君の祖父にあたるのかな?

シャーロン家元当主のジョン・シャーロンだよ。

ネオン君が手紙をくれたからおじさん、きちゃった。」


『えっえ!!!

ジョンお爺様!!でっですがお爺様の暮らす屋敷からここまで馬車を使っても丸三日かかります!!

もしや僕は、丸三日、、、』


「ネオン君が考えている通りちょうど丸々三日寝続けていたんだよ。」


そう言って紅茶の入ったティーカップを僕に渡してベットに軽く腰掛けた。


『すっすみません。私がお呼びしておいてジョンお爺様を放置してい』

「気にしないでネオン君。

人は、神では、ないからいつか疲れてしまう。

僕の息子、、、ネオン君のお父さんやお母さん、メイドさんは、僕がちゃんと叱っておいたから安心してね。

孫から手紙が送られるまで気づかないなんて本当おじ失格だよね。」


そう言って僕の頭を優しく撫でてくれた。

何かの匂いがする香水だろうか?

ほのかに優しい木の匂いがしたし、とても嬉しかった。


「あとね、、、ネオン君。僕のことは、ジョンお爺様じゃなくて」


ジョンお爺様は、花が咲くように微笑み


「ジョンじぃじがいいなぁ」

『、、、』

「ダメかなぁ」

えっ可愛い

じぃじ可愛いよ

『ダメじゃないよ。これからジョンじぃじって呼ぶね!!』


可愛いじぃじに対抗して可愛いネオンになってみた。



『ジョンじぃじこのクッキーめちゃ美味しい』

「ネオン君が喜んでくれてじぃじ嬉しいよ」

『ねぇじぃじ!!』

「なぁに?」

『ネオンって呼んでほしいなぁ』

「ネオン」

『じぃじ』

、、、ラブコメか少女漫画?


『ねぇじぃじーシベルとシエナは、今どうしてるの?』


「シベルちゃんは、隣の部屋で寝てるとはずだよ。

シエナちゃんのことは、僕は、何も聞いていないからわからないなー。」


『そっかー』

「イザベラちゃんは、シエナちゃんがどこにいるか知ってるかも?

じぃじと一緒に会いに行く?」


『うん、ジョンじぃじといくー』



シベルとの部屋は、階が違って遠かったけどいつのまに隣にいていたのか。

嬉しいなぁ。


シベルの部屋


「おぼっちゃま!!目を覚まされたのですね!!」

『うん。私は、元気だよ!!イザベラ』

「私?おぼっちゃま一人称を変えたのですか?」


『え?俺の一人称?』

「おぼっちゃま?大丈夫ですか?」

『うん、ネオンは、大丈夫。それよりシベルを見にきたんだ。あとシエナは、どこにいるか知ってる?』


「シエナお嬢様は、まだおやすみになられていると思いますよ。」

『そっかー』

「シベル様は、こちらに」

「あーう」

『ぎゃんかわ!!』

「シベルーじぃじだよー」


「ネオン。そろそろお腹が空いてないかな?」

『少しだけ』

「よーしじゃあじぃじとピクニックだぁ」

『わぁい!!』

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