速度制限45! Shinjo Railway の運転士に必要なもの

 今日は中学校の卒業式も終わり高校に入学するまでの久しぶりにまじめに勉強しなくてもよい時間ができたのでワンマン列車の乗務をしていた。ワンマン列車とは簡単に言い換えると車掌さんがいなくて、運転士がすべての業務(扉の開閉、車内放送、運賃の回収等)をしてかつ運転もするという運転士に負荷がかかってしょうがないことである。何とかならないかな。運転士というか車掌というかの人材不足問題。人がマジで来ない。どうしたらいいんだろうか。あ、案内しないと。「まもなく、青、青です。お出口は左側、6番乗り場に到着いたします。お忘れ物のないようにご注意ください。到着の際揺れますのでお足もとにご注意ください。お乗り換えのご案内をいたします。普通列車竜、東脇市方面に参ります、普通列車の新谷川行、ホーム変わりまして、3番乗り場から発車いたします。神戸鉄道青線はお乗り換えです。青駅ではホーム側すべての扉が開きます。運賃、切符は駅係員にお支払いください。本日も真城鉄道真城本線ご利用いただきましてありがとうございました。青、青です。この列車は真城鉄道鹿児川線に直通いたします。普通列車の鹿児川行です。青駅にはおよそ、6分停車します。小野町、厄神、鹿児川方面にお越しのお客様は車内でお待ちください。」案内は完璧だ。ここから英語放送を挟もう。「Thank you for riding with us.We will soon be making blief stop at AO. Please exit on the left. Transfer here to the ShinjoRailway ShinjoLine, Kobe Railway AO Line. The train will sway upon arrival. Please hold on to a strap or a handrail.Thankyou for using Shinjo Railway ShinjoMainLine. AO.AO.」業務の示唆歓呼もしっかりしよう。 「青入線。場内警戒45!」

 きっちりと指差歓呼を行って粟生駅に入線する。えらいえらい。よんまるが何やら停止位置について合成音声で教えてくれている。この合成音声を運転台に流せるんだったら車内放送も自動放送に変えてほしいね。ブレーキを入れたり抜いたりしてやっと停止位置に止めた。このブレーキが扱いにくいわ停止位置で止めにくいわのブレーキでありしかもキハ40系列というか国鉄時代に製造されたほぼすべての気動車に装備されている。名前は自動空気ブレーキというらしい。「停止位置よし。左扉開。」ぷしゅー。間抜けな空気の音をたててドアが開いた。"よんまる"は古いのである(何回言ったか分からない)。最近の鉄道にはドアチャイムという名前の音があるらしいがうちの会社にはない。別になくても法には触れないし走れるから問題ない。まあ、言い換えたらシンプルイズベストとでもいうのかな。ちなみに、青駅は真城鉄道の結構大きなターミナル駅で駅前もそこそこ栄えている。神戸鉄道という鉄道会社も青駅に乗り入れている。


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 私は今年の4月から世界遺産に登録されているお城の横の高校へと通う(予定)になっている新高校一年生である。今日は始業式の前だっていうのに学校から謎の招集令が来てしまった。どうやら教科書などを一式渡すらしい。なので袋の類が山ほどカバンの中に入っている。高校生になってまでかわいい鞄を持ち続けている。恥ずかしさが半端ない。私は今から乗る真城鉄道とJRを乗り継いで学校へ行く予定になっている。正直、JRと真城鉄道が直通運転してほしいと思っているのだが某鳥取県の第三セクターみたいにやすやすと受け入れてはくれないだろう。相手が相手である。線路は最悪、車両もボロボロ、経営もなってない。こんな会社とどこが直通するのだろうかと鉄道を全く知らない私でもわかるくらいであった。私の最寄り駅は真城鉄道の青駅である。私は神戸鉄道の沿線沿いにある高校を志望したが、入学試験に落ちてしまった。中学時代に数学が完全にタヒんでいたからな。無理もない。そして、姫路にある同学力程度の高校には受かってしまったのでそちらに行くことになった。しかし、私がその神戸鉄道沿線の高校を志望した理由は特になくただ行き帰りの電車が真城鉄道よりもきれいだからであった。だからたいしてがっかりもせずに済んだ。そんなこんなを考えているうちに私が乗るべき列車がエンジン音をやかましく立てながらホームに入ってきた。ドアが開き、車内に入る。そして、たまたま開いていたボックス席に座った。約6分後定刻で普通列車の鹿児川行はけたたましいエンジンをうならしながら走り出した。しかし私はこのときこの列車の運転士も同じ学校に通う予定になっており、また同じ部活で再会してしまう男子だとは思ってもみなかった。

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