出発進行! 出区点検

 こうも、話が始まらない話ほど飽きるものはないだろうがこの話でたぶん説明じみた内容は今回で終わると思うのでどうか読んでほしい。(しかし、この後の話が面白いという確証もないが。)

 皆さんは出区点検というものをご存じだろうか。たぶん鉄オタでもない限りわからないと思うので一応書いておく。決して読者様を馬鹿にしているわけではない。出区点検というのはざっくりとまとめると列車を車両基地から出発(出区)させるときに,運転士がおこなう点検作業のことである。辞典には、車両の機器類やブレーキ装置などの動作確認などをおこなう。【鉄道技術用語辞典(鉄道総合技術研究所編 丸善 1997-12)】と、書かれている。鉄道車両だって頑丈に作ってあるとはいえ故障を起こすこともある。だから、お客様を乗せる前に必ず点検を行うのだ。「車両エンジン入りよし!」ガッガガガガ・・・ブウィーンと間抜けな音を立て始めたらいい感じである。なんせ我が社の"よんまる"ことキハ40系列は古いのである。今日運転する予定のキハ40-3003は御年47歳である。鉄道車両のほうが自分の住んでいる家よりも若いってどういう状況だよ、これ。出区点検の基本的な流れを書くと、車両の床下機器(エンジン、バッテリー)、ドアの開閉、運転室周りの機器、ブレーキ機能などに異常が無いか一つ一つ確認していくのである。


 ちなみに、運転士になるには国土交通省が定めている甲種内燃機関動力車操縦者運転免許証を取得しなければいけない。免許を取得するには、適性検査、真城鉄道研修センターへの入所後の鉄道に関する技術上の基準を定める省令、運転の安全の確保に関する省令、一般常識、運転理論等の学科試験、実際の車両での内燃車の構造及び機能を問う技能試験、全てに合格して免許証が交付されるのである。学科試験に向けての講習では、運転士に必要な知識を学ぶのだが期間が短い。なんせ約1ヵ月しかないのだ。会社での事前研修と同期の仲間のサポートはあるので大体の対策ができる。まあ、無事に試験には合格できましたとさ。

 合格したら実技試験に向けての総合訓練が始まる。その時に先ほど書いた出区点検、異常時の対応、お客様の応急処置、車両の故障時の処置、運転技術を学び反復訓練を行うのである。その後、先輩運転士から単独乗務に向けて運転技術や日々の業務の細かいところまで指導を受け、先輩運転士からの見極めに合格したら単独乗務を始められるのである。


この話、いったいなんだったんだろな。


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