第7話
──三木祥子の視点
世界が捻じれる光景を見た。
まさにそう表現する他ない光景を前にして私はただ
そして気づけば私はこの場所にいて、突然何処かも分からない場所に自分がいる事にただただ漠然とした不安と胸が締め付けられる様な恐怖を感じた。
それでも運が良いことに私は早い段階で自分と同じ様な境遇の人達と合流出来てお互いに協力してここから脱出しようと行動を始めた。
道中誰が口にしたのか現実ではあり得ないようなモンスターを見た一人がこの場所の事を「ダンジョン」と言っていた、それを聞いて私は言い得て妙だと納得していた。
ピコンッ!
『経験値を獲得したことにより、ステータスが解放されました』
『ユニークスキル<探偵>を獲得しました』
『スキル<探偵(仮)の美学>を獲得しました』
『スキル<マッピング>を獲得しました』
『スキル<地球の加護>を獲得しました』
襲ってきたモンスターを撃退してすぐ、突然頭に響く謎の音に困惑しているとどうやらその音を聞いたの私だけではなかったようで、私達はお互いに自身の情報を共有し合うと、どうやらそれぞれが違うスキルを身に着けており、私達が手に入たこのスキルは脱出のために大いに役に立つ筈だと喜んだ、そしてこの状況に抵抗する手段があることに私は小さな希望を感じた。
そうして私たちは下へと向かう階段を進んで行った。
だけどその違和感は次第に大きくなっていき、次第に一つに疑問を訴えていた。「どうして私達は下に向かって進んでいるの?」と私はこのことを他の三人に話、引き返すべきだと提案した、三人は私の話を聞き入れてくれたがどういう訳か話をすればするほど、三人の意見はこのまま先に進むというものになってしまった。
そして私はこの状況の中これ以上先に進むことが出来ず、三人とはそこで別れて一人来た道を引き返す事になった。
幸い私はスキルのおかげで引き返す道を迷うことはなかったが、気づかない内にいろいろと消耗していたらしく、途中の横道で休憩を取ることにした。
私は持っていたドロップアイテムをスキルで確かめながら、ランク1と書かれたHP回復薬(1)を飲んだ。
効果はすぐに表れステータスに表示されたHPはすぐに回復した、だけど空腹自体をどうにか出来る代物ではなかったようで別のアイテムも試してみようかのと考えていると丁度モンスターが通路の前を横切る所だった。
そうして私が身構えていると何故かどのモンスター達もこちらに目もくれず通路をを横切っていく、不安はあるがどうやらこの横道はモンスターに対しては安全であるようで、しかし一度安心感を感じてしまうと途端にここから動くことが怖くなってしまい立ち上がることが出来なくなってしまった。
変化が訪れたのはそんな時だった。
また通路の方から音がして恐る恐るそちらを見てみると、そこには丁度モンスターとの戦闘を終わらせた所の一人の男性がいた。
彼はこちらに気づいたようだが、黙ったまま困った様な表情をして私を見つめていた、私がどうしてそこで黙るの?と不安になっていると突然私のお腹が鳴る、咄嗟にお腹を押さえるがどうやら彼にも聞こえていたようで恥ずかしくなってくる。
すると彼はこちらに何か差出し、「食べますか?」と声を掛けてくくれた。
彼は私が食べ物を受け取り、食事をしている間もソワソワと仕切りに通路の方を気にしていて周囲を警戒している様だった。
彼の恰好は白のワイシャツに黒のスラックスを着ているが服のサイズが微妙に合っておらず服に着られている様に見える、学生か就活生だろうか?
私は食事をしている間こっそりとスキルを使って彼のステータスを覗き見た。
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伊藤晶 Lv5 EXP 318/333
LIMIT:15
HP 51/ 88
MP 41/ 41
STR 15 (+4)
VIT 10 (+)
INT 6 (+)
AGI 9 (+)
DEX 12 (+)
LUC 6 (+6)
*SP 0*
ユニークスキル
<レベルガチャ>(0/100)
スキル
<EXPリミット>
<地球の加護>
装備
『鉄の鈍器』
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最初に名前を確認し、次に目に付いたの自分や他の人達にはなかったEXPの表示とその下のLIMITというものだ。
他にも気になるワードはあったが、私は取り敢えずステータスを開きSPを使って自分のSTRを10→15に更新しておいた。
食事を終えると私は自己紹介をして先ほど使ったスキルの事を話し、お互いステータスを見せ合う事ににした。
そうしてお互いの持つ情報を共有していくと、どうやら伊藤さんはステータスを解放した時に複数の選択肢があったらしく、その中には『精神系スキル』や『無効化スキル』の存在を匂わせるものもあったそうだ、そうした話を聞き、私は自分が感じていた違和感に対し一つの仮説を立てた。
伊藤さんは私の話を聞くとどこか納得したようでそのまま一人で考え事を始める。
もしこの仮説道理なら伊藤さんともここで別れてしまうのだろう、そしたらまたここで一人取り残されるのか、そう思うと怖くなる。
そんな考えで頭がいっぱいになっている私に伊藤さんは「全部丸投げ」と言いながら一緒に上を目指そうといってくれた。
私も彼もここで立ち止まってしまえばもう道を引き返すチャンスはないかもしれない、その為に彼が「全部」預けてくれるなら、私も覚悟を決めて彼に答えた。
「分かりました。それで行きましょう」
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