第17話  判っているんだ。


判っているんだ。


お前は、いつも俺には言わないけどね。



判っているんだ。


お前は不安なんだね。




俺の過去を知っているから?


俺の今を知っているから?



独り身じゃない俺は、本当の自由を持っていない。


それでも、今まで彷徨い、俺の相手を探し続けていた。



こんな年になるまで、本当の恋も知らずに、ずっとずっと、いろんな女のところを彷徨っていた。



お前に俺は、俺を信じろと言う。



お前も俺を信じようとしている。



でも、確証があるわけじゃない。



いまでも、独り身になりきれていない俺は、それでもお前に信じろと言う。


俺は、俺にもお前を信じろと言う。




毎日の繰り返し。


俺は、いつでもお前と共にいる。


 

ふざけあって、笑いあって、時には喧嘩して、お前と共に生きたい。


うそつきだった俺が、お前にはうそはつけない。


今は、不安のままでもいい。


俺について来てくれ。



だから、最後まで、答えなんか出なくてもいい。


最後の最後に、後悔は無かったよ…と、言わせるから…。




俺は、なんとなく、お前にこんなことを言ってみた。


「うっせぇよ…ぢぢぃ…」


お前は、なんとなく照れて答える。


 

俺は、心の中で、呟いた…。

『愛してるよ。絶対にお前を幸せにしてやるから…』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る