【一巡目】悲劇への足音 (ルスside )
冬。
エルネスト山には、ひどく雪が積もっていた。足が埋もれないように慎重に歩く。
魔女がいるのは、この山の中腹だ。
真っ白な雪は僕が親から逃げ出したときを思い出させた。そうして、かあさんとの思い出がするすると甦る。
あの頃がとても懐かしくて、羨ましい。
山の中腹まで深い森が広がっている。
僕はこの森に既視感があるような気がしてきた。かあさんと暮らしたあの森と少し似ている。
先に進むほど、エルネスト山の森とあの山の森の似ている所が増える。
大丈夫、考えすぎだ。この森が偶然あそこと似ているだけだ。
不安が増し、だんだん自分に言い聞かせるようになっていく。
そうして、突然開けた場所にいたのは。
「……かあさん。」
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