後日譚
しばらく、ルス達は四人で丘の上の家で暮らす。
それぞれのやりたいことが見つかると、次第に家を離れていった。
初めは青少女。
教会で学んだ医学の知識を活かしたいと、近くの町医者に師事し住み込みで働くようになった。飲み込みが早くよく動く優秀な弟子として早々に独り立ちし、近くの町で診療所を開いた。初めは遠慮されていたが、現在では多くの人に頼られる存在である。
次に黄青年。
実家の子爵家に絶縁された後、様々な村や町で子供たちに学問を教えるようになった。子供たちから先生と慕われて大人たちからは何も見返りを求めない謙虚で素晴らしい人だと敬われ、感謝の気持ちとしてたくさんの農作物や花、小物など色々なものをいただくらしい。
三番目に赤青年。何もやりたいことが無いと悩んでいたが、それを探す為にギルドに入って冒険者となった。様々な依頼をこなしてそこそこ名が通るようになった為、一気に指名依頼が増えて各地を走り回っている。そして怪我をする度、青少女に小言を言われながら治療される。
驚くことに数年後、青少女と赤青年の二人は結婚した。周囲から惜しまれながらもそれを期に赤青年は冒険者をやめ、青少女の診療所がある町に移り住んで自警団に入った。
最後に残ったのはルス。
ルスは雷の魔女が収集した本などを読んで知識を身につけ、時折訪れる雷の魔女と様々な議論をした。
また、ルスは教会の企みを暴いたあの事件で一つ引っ掛かることがあった。それは、イルニア以前の魔力の制御装置だった魔人を殺害しサディトリアル家を消滅させた人物が、未だに不明であることだ。
ルスは真相を知る為、旅に出た。時には赤青年や雷の魔女から情報を得ながら、着実にその人物へと近づいていく。
ある時、旅先で独りの小さな少女と出会った。
それ以降ルスの隣には常に黒髪の少女がいたと噂されるようになるが…………
それはまた、別のお話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます