【四巡目】

【四巡目】 (イルニアside)

ルスを見つけ、いつもの通り記憶を封印する指輪をはめさせる。多分、一巡目で酒場で助けてもらった人にルスを預ける。ここら辺はまだわからん。

(酒場の人は、『【一巡目】あなたを捜して』で登場するかもしれない人。一巡目でイルニアが酔っ払い男に絡まれるがその人が助ける。その後彼と知人(?)になった。)


あの子が自分の能力に気づかず幸せに生きるには、教会とサディトリアル家が邪魔になる。この二つがある限り、ルスは<魔女殺しの英雄>として生きていくしかない。

潰さないと。完全にとはいかなくても、長い間再起不能にしたい。

一番手っ取り早い方法は、教皇や大司祭などの上層部の人間を大勢殺すこと。地位が高い人間ほど殺しにくいが、その分効果的だ。

制限時間はルスがサディトリアル家に見つかるまで。

つまり、逆行してから二度目の秋までの約二年間だ。

私はこの一年で殺人に長けた魔法を構築したり、毒について学び毒薬の調合やそれを使った戦い方などを考えた。


どこまで詳しく書くかはわからん。そこまで重要な場面でもないし。それに毒とかだってよくわからん。今後の自分の閃き次第や。イルニアは家にある豊富な書物で魔法や薬、毒、戦い方の知識をつける。それらの本は母が各地を放浪して収集したもの。だけど知識があるからって実際に想定どおりに実行できるわけじゃないから、そこら辺どうしようかねぇ。

因みに、新しく構築した魔法は消費魔力が少なくコントロールが容易なもの。逆行する度に身体に負荷がかかり、初めよりも魔力をうまくコントロールできなくなって魔法量も減ったことが原因。転移も両手で数える程度しかできなくなり、転移可能な距離も短くなった。


二度目の春、イルニアはサディトリアル家本邸のある街に向かう。家からその街までの転移ができなくなったので、秘薬で目の色を変えてしばらく馬車の旅。一週間程で到着。

宿を確保してから、一巡目の時にルスの情報を手に入れた酒場へ。あの時愚痴っていたサディトリアル家の雇われ男二人組は、毎週末決まった時間に酒場へ訪れる。なかなか望んだ情報を手に入れられなかったが、一月たった頃、夏にサディトリアル当主が首都セリシアンに出かけるらしいとの情報を得た。


男二人組よ、そんな大事な情報を酒場で言っていいのか。サディトリアル家はそこら辺ガバガバだな。それでいいんかい?(今回はいいんです。)

そしてイルニア、あなたはどこでお金を手に入れたんだ。薬師だと正体を偽り薬を売る?でも穢狩りが行われているご時世、下手なことをすると怪しい奴として教会に報告されかねない。……お金事情、難しい。

あと、他の情報源どこにしよう。流石にこの二人組だけってわけにはいかないよねぇ。

当主が行くのは首都セリシアンにある一番大きな大聖堂。教会の本部ね。

誰かこの情報をイルニアに下さい。


その後イルニアは、サディトリアル家当主が首都セリシアンに行くのは大聖堂に用事があるからだと知り、自身もセリシアンに向けて出発した。再び馬車の旅。

この街からセリシアンはやや遠い為、二週間程度で到着。

どう情報を集めるのかわからないが、三週間後の満月の夜に教皇をはじめとする教会の権力者たちとサディトリアル家当主が会合をするらしい。

それまで息を潜め、自分の存在を知られないようにする。


そして、会合当日となる。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る