第11話 封印の洞窟

マーラの世界の人々の希望である筈の

大司教は邪神アドヴァンの一身かけら

=大魔司教ガリウスだった。


シマジの渾身の一撃、

サマンサの古代呪文での封印、

ハデルの貴皇帝の鎧の力により、


大魔司教ガリウスを倒した。


一行は力尽き動けない。


「強敵だった。」

「もう立てない。」

「お腹空いたな」


他愛もない談笑を行っていたのも

束の間だだった。


突然の雷光。

まばゆい光と共に一陣の魔瘴気が立ち昇る。


その時、すっかり油断した一同に

女魔将軍アスタロットと

配下の剛鬼ベーゼンが降臨した。


「この時を待っていた。

お前達が、邪神と闘い力尽きるのを。


聖騎士一行を、捕らえよ!

封印の洞窟で聖騎士ハサンごと

お前達も処刑してくれる!」


シマジは、薄れゆく意識で聞いた。

ハサン?聖騎士ハサンは死んだ筈では?


思考を読んだのか、

ハデルも横たわりながらシマジに伝える。


「ハサンは復活した。

こちらから合流するつもりだったが不覚。

足を引っ張るとは。む、無念。」


ま、まだ!

シマジは獣化を解かず、

フラフラになりながら立ち上がる。


・・・が、剛鬼ベーゼンの強力な一撃が

シマジのボディにめり込む。

もんどり打って倒れるシマジ。

そして気を失った。


召喚士メリーは最後の攻撃で

特大呪文の詠唱を試みるが、

詠唱中に魔法の杖を折られてしまった。


魔将軍アスタロットの念動力である。


魔法剣士サマンサも、

剣を持ち踏み込むが二の足が出ず倒れる。


「聖騎士共を捕らえよ!」

魔将軍アスタロットの配下の

アヤカシが迅速にシマジ達を縛り上げる。


結界の糸で縛られた聖騎士ハデル一行は、

転移の術でシッポリ国の

ヤマゲータ地方にある

『封印の洞窟』に送られた。


女魔将軍アスタロットは、

近くに里を創る。

アヤカシが変異した村人が

聖騎士ハサン一行を待ち受ける。


人狼討伐のクエストを、持ち込ませ

封印の洞窟へ誘うのだ。


そこで聖騎士を一気に処刑する。

邪神と魔王の時代は永劫に続く。


フハハハ!!

女魔将軍アスタロットは高らかに笑う。


このまま、聖騎士は

魔王に邪神に敗れてしまうのか。


シマジの冒険はまだ終われない!

立て!シマジ!


聖騎士を支援せよ。

神の拳を奮うのだ!


〜しなおじ外伝 〜

13歳の狼族獣人シマジは聖騎士ハサンの従者になりたい!(完)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

13歳の狼族の獣人シマジは聖騎士ハサンの従者になりたい! のんたろうさん @nontarochannel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ