第4話
翌日、昼食時間を跨いで臨時の捜査会議が開かれた。
体型的に近い
長机に並んで座っている私と先輩の間に言葉はない。今朝ここに出勤してから、私は先輩からのSNSにもメールにも返事をしていない。勿論、意図的にだ。タイミング的にそうしないといけない。だって……。
「おい、おまえら、昨日は何していたんだ。どっちも電話したのに出ねえとか、あり得ないだろ。捜査中だぞ」
後ろの席の
「昨日は、僕と月下が帰宅する番でしたから、自宅で寝てましたよ。そう言う漆原さんこそ、飲んでたんですか」
嘘ばっかり。昨夜、私と先輩はホテルで一夜を過ごした。仕事帰りに先輩から食事に誘われて、その後にホテルへ直行。我を忘れて二人で乱れまくった。たぶん、先輩が望むことは全部してあげられたと思う。その後、終電でそれぞれ帰路についた。
今朝出勤すると、先輩は私に何度かメールしてきたけど、こういう時は
「仕事だよ。交通課の奴らと飲んでたんだ」
「交通課? どうしてですか」
「まだ報告できるレベルの情報ではないが、
「動画って、いつのですか」
「四か月ほど前だ。その後急に改心して模範的なドライバーになったとは思えん。何かあると思って……」
「おい、そこ!」
前列の首脳陣から注意された。二人とも口を
私と先輩は改めて昨日の九重葛子からの聞き取り内容を報告した。続けて九重葛子が経営している会社に向かうよう指示される。
午後一時前に会議が解散となり、捜査員たちは軽く軽食を腹に入れてから出かけることになった。私と先輩は隣り合わせの事務机で黙っておにぎりを頬張った。会話はない。先に食べ終えた私は、独り地下駐車場へと向かい、車の中で立浪先輩を待った。
立浪先輩はなかなか下りてこなかった。不安になった私はスマホでメールを確認した。
メールを読んでいると、助手席のドアが開けられ、立浪先輩が乗り込んできた。深刻そうな顔で黙ってシートベルトを締める。
やっぱり、そうか。
私は小さく息を吐いてからエンジンを掛けた。
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