第18話

 「皆、此方だよ!」

「マオ様!」

「逃げ遅れた奴はいるか?」

「ルカ様…!」

「居ません!!」

「なら良い、行くぞ!」

ダッ、とfamiliarの隊員達は駆け出した。


 「……ん……」

眩しい、と瑞樹は感じた。

「瑞樹!」

「ロ…イ……?」

ゆっくり目を開きながら瑞樹は目の前に居る者を見る。

「ロイだよ、瑞樹!良かったぁ、目が覚めたんだね」

ほっ、と安堵するロイ。

「此処…アジト……?」

「うん。アジトの、医務室」

瑞樹は疑問に思う事があった。

何故、母親から逃げて此処アジトに居るのか、だ。

ロイは瑞樹の言いたい事が分かったようで、微笑みながら言った。

「竜斗様が夜中に瑞樹を運んだんだよ。…担いで」

「担いで?!」

ギョッと目を見開く瑞樹。

当たり前だ、尊敬する人に担がれたと聞けば誰だってそうなる。

「今頃大騒ぎじゃないかな?静留様は闇オークションに出された子達を取り戻してるから安心してね」


 「……皆、聞いてくれ」

静留の呼びかけに静まり返る食堂。

静留は続けた。

「多分、次こそ俺達はバラバラにされる。其れこそ、親に引き渡される。…嫌だよな?」

コクリと頷く隊員達。

「其処で!提案なんだけど…」

竜斗から告げられた言葉に、隊員達は笑顔で答えた。

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