第11話

「ロイ、どうしたの?」

「……瑞樹……ロイね、面白い事思い付いたんだ!」

ニヤリと笑うロイ。

「はぁ…ロイ、僕達familiarや静留さん、竜斗さんに迷惑掛けないでよ?」

「勿論さ!」

バサッ、とロイはマントを翻し瑞樹に近付いた。

「ロイ、瑞樹を泣かせた『幼馴染』に興味湧いたんだ〜!ねぇねぇ、そいつの名前何て言うの?」

ロイは笑顔で言うが、目は笑っていなかった。

「…僕は大丈夫だから」

「でもぉ、ロイはぁ、気に入らないんだよねぇ〜?」

すん、と真顔になるロイ。

「ロイ、本当に大丈夫だから!」

「…本当にぃ?瑞樹が其処迄言うなら…」

ぶー、と不機嫌そうに頬を膨らますロイ。

其の時、扉をノックする音が鳴った。

「は〜い」

「ロイさん、瑞樹さん!ご飯ですよ!静留様、竜斗様もいらっしゃいます!」

「本当?!早く行こっ、瑞樹!」

「はいはい」


 今日の食堂はいつにも増して騒がしかった。

静留、竜斗のDioが居るからだ。

中央のダイニングテーブルはDioが最前席。Dioの隣は現幹部のマオ、ルカ。更に其の両隣が幹部候補生の瑞樹、ロイ。

左右の細長いダイニングテーブルには真っ白なテーブルクロスが掛けられ、其々数十人の隊員が座っている。

…因みに、静留達が座っているテーブルには猩々緋のテーブルクロスが掛けられている。

「…では諸君。命に感謝して…頂きます」

「頂きます!」

静留の掛け声に、隊員達が声を合わせ食事の挨拶をする。

「美味しい!」

「旨〜い!」

「パンに合わせると更に美味しいよ!」

「本当だ!」

賑やかになる食堂。

静留達は、嬉しそうに顔を綻ばせる。

(俺達が保護した時はあんなに警戒してたのに…)

(嬉しいなぁ…多分、静留も思ってるな〜)

(もう苦しい思いをしなくて良かったね…)

(飯美味いなぁ!みーんな、美味い思えば良いんだ!)

(皆、笑顔で良かった…)

(皆笑顔だと、ロイもハッピー笑顔!)

――――この時間が、続きますように―――

其れが、俺達…familiarの願いだから……。

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